貞義の記憶がすでに勝の脳にダウンロード済みだと信じて疑わないギイ。
転落した崖下から回収された勝は屋敷に連れ戻され、ギイに再び命を狙われます。
第20幕 黒い太陽
白金=貞義(ディーン)=フェイスレス
「それは困るなァ。 その子供は僕のものさ…」
勝がギイに殺されかけたその時割って入ってきた人物。それは村の若衆、大輝の姿に変装したフェイスレスでした。
原作を読んだ当時はサハラで死んだはずだと思っていたので再登場に驚いたものです。
ここでフェイスレスはこれまでの経緯を話しながらネタばらし。
白金、ディーン、貞義、フェイスレスがすべて同一人物だったわけです。
自分自身が溶けたアクアウイタエを子供に飲ませ、記憶が受け継がれた状態でディーンとして生まれ変わった白金。
彼はキュベロンでフランシーヌそっくりなアンジェリーナと出会い、またも結ばれない運命に絶望し、その後エレオノールへと妄執の対象を移して今に至りました。
まあアニメは子供ディーン以外全部古川さんの声なのでバレバレだったと思いますけどね!
これはそれぞれ違う声優を使ってもよかったのではとも思うんですが、古川さん一人が演じているからこその一貫した執念やキャラクターの個性が出てる部分もあるはずなので難しいところです。
ここまでの話を聞いたギイは正体を現したフェイスレスに攻撃を仕掛けるもあっという間に返り討ちに。
原作ではオリンピアではなく練習用のあるるかんを使っていくつか技を見せてくれてましたがアニメでは一瞬でやられてしまいましたね…。
「勝… …許せ…」
散々疑った勝の脳が貞義に支配されていないことを知ったギイは絞り出すように謝罪の言葉を口にしますが…
う~ん、なんというか見せ方が…
めっちゃサラッとしてたけどここはもっとこうギリギリ…って悔しさ滲む場面なんですよ!
もっと重い言葉なんです、この「許せ」は。
結構印象的なシーンだったのでせめてギイさんの顔アップにしてほしかった。
フェイスレスの名言
「だって僕は『自分を信じている』もん。
自分を信じて『夢』を追い続けていれば、夢はいつか必ず叶う!」
目を輝かせて自信たっぷりに叫ぶフェイスレス。
物語中の正義の主人公、もしくはその主人公を助ける人物にのみ使用を許されているような眩しいセリフをよもやこのキャラクターがこんなキラキラした目で言ってしまうとは…。
こわ…。
原作で初めてこのシーンを見た時はフェイスレスのサイコパスっぷりに衝撃を受けました。
アニメでは古川さんの演技も迫力があったし勝のぽか~んと呆気にとられた感じも漫画よりいい感じだったんじゃないかと思います。
しかし、フェイスレスのこのセリフの前には
「なんの糸にも縛られずに自分で立って…ちゃんと生きてちゃんと死ぬのが、ぼくたちの役目だ!」
という勝の名言があったんですが、こちらはここまでの成長や頑張りがかなりカットされてるうえにセリフも削られてるのでなんかちょっと薄っぺらい。
そのあとに続く
「あなたがぼくになったって、しろがねはあなたを好きになんかならないよ。」
というセリフも前後がいろいろとカットされています。
連れ去られたエレオノール
「愛しのエレオノールが自ら来てくれるとはな。」
勝とフェイスレスの戦いに乱入してきたエレオノールは勝をかばって攻撃を受け、フェイスレスの手に落ちてしまいます。
予想以上にスピーディーな怒涛の展開。
この場面、原作の勝はジャコを出してかなり熱い戦いを繰り広げてるんですがアニメでは全然人形を出しませんでしたね。かっこいいシーンなのに残念…。
もっと言うと、本来エレオノールはこんなところに登場しません。
実にコミックス7巻分くらいが飛ばされました。
前話でエレオノールがスーツケースを転がして黒賀村に来てたので何だろうと思っていたけどなるほど…。
これで黒賀村編は確実にカットされることが確定しましたね。
阿紫花三姉妹も平馬も出てこないのは寂しいなぁ。
まあ黒賀村編をまるっとすっ飛ばすにはこうした方が都合がいいか。
だけど原作をを知ってるとちょっと混乱してしまいますね。
「吾輩は猛獣使いのドクトル・ラーオ」
もっとずっと先の登場だったはずのドクトル・ラーオまでこんなところに出てきちゃってもう何が何やら。
出てきたからには一勝負あるのかと思いきや仲町サーカスの人達に自己紹介だけして「私はこれで」って帰っていきました。
何だそれ。不自然が過ぎる(笑)
エレオノールが連れ去られるまでのところも原作ではまだなんやかんやあるんですがアニメはとにかく急ぎ足。
エレオノールはあっさり捕まって飛行船で連れ去られてしまいました。
正二の最期
ガラスが割れて浸かっていた培養液が流れ出てしまい、生命活動の維持ができなくなった正二の体は結晶化していきます。
この作品、こうなるともうホントに助かる術はなくてどうしようもないんだよなぁ…。
過去編の正二の頑張る姿を見てるから悲しい。
情報の密度が高い原作を読んでるともっと悲しい。
だけど最後アンジェリーナと会えるシーンはカットされてなくてよかったです。
ストーリー的に勝がグッと成長するところでもあったこの一連の騒動は説明が多いのにとにかくカットが多くてせわしない感じでした。
主にカットされたのは勝が強くなるためのいわゆる修行パート。
その最中、勝の顔つきがどんどんかっこよく男前になっていくのが見どころだと思っていたのでそれが見られなかったのは残念です。
かなり大人びた表情をするようになってきた勝。
アニメではいきなりこんな顔するようになるのかな…。
コメント