正二の記憶の旅から一時的に意識を取り戻した勝は、正二とアンジェリーナの子供が貞義ではなく、エレオノールであることを知らされます。
驚きを隠せない勝でしたが、そこに「貞義を殺しに来た」というギイが現れました。
ギイは、正二がいなかった場面を補足説明するべく、勝に自らの過去を話し始めます。
第17幕 訪れし者
ギイとアンジェリーナ
© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
「僕は命令を遂行するためにキュベロンから来ました」
幼い頃ゾナハ病にかかって両親に捨てられ、孤独な時間を過ごしたギイ。
しろがねになったあともずっと彼の心にはそのことがつっかえており、なかなかヒネた性格になっています。
この生意気そうなところがまたかわいいんですが。
そんなギイが、当時出産のために黒賀村で静養していたアンジェリーナのもとを訪れて彼女に伝えた本部の命令は、「生まれてくる子供を柔らかい石の入れ物にする」ということでした。
いよいよやってきた黒賀村でのエピソード。
作中でも一、二を争う熱いお話です。
© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
「私は母親です!」
到底受け入れられない要求に、あるるかんを出して立ち向かうアンジェリーナ。
母親に捨てられたトラウマを抱えるギイは、アンジェリーナが見せる「母の強さ」や「母の愛」に苛立ちと戸惑いを感じ、容赦なく攻撃を仕掛けてきます。
対して、お腹をかばいながら戦うアンジェリーナはみるみる劣勢に。
原作では結構強気な発言もあったんですけどね…。
© 藤田和日郎・小学館
アンジェリーナの「一世紀ほど早かったわね、坊や。」はアニメでも聞いてみたかった!
ずっと駆け足だった進行が、勝編に入ってからちょっとゆっくりになったかと思ったんですが、やっぱり細かいカットは免れないようです。
削れるところは削っておかないとって感じですかね。
そして絶体絶命と思われたその時、オリンピアの心臓部に使われているアンジェリーナの祈りを込めた歯車の動きが止まり、形勢は逆転。
ギイはオリンピアの「聖母の抱擁」を受けて倒れました。
© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
「よかったら、私があなたのママンになってあげましょうか?」
「もう一人くらいいつでも、抱きしめられるわ」
その後、目を醒ましたギイにアンジェリーナがかけた言葉はギイの荒んだ心に変化を与えることになります。
この場面は、そこに至るまでの会話やギイが叱られたりするシーンも結構削られてるのでちょっと唐突すぎる感じがしましたが…ママンの愛に飢えたギイ少年にはこれ以上の殺し文句はないですね。
そういえば原作ではことあるごとに「大人のくせに」って言ってたギイ少年、アニメでは全然言わないなぁ…。
フランシーヌ人形
© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
「わたくしは『才賀アンヂェリイナ』にこの身を分解してもらうためにここに来たのです。」
再び意識を失った勝は、教会でフランシーヌ人形に出会った時の正二の記憶を見ていました。
フランシーヌ人形の願いを聞いた正二は、改造して人間以下の力しか出せないようにした彼女をアンジェリーナのもとに連れていくことにします。
実は、正二とフランシーヌ人形が黒賀村に向かう道中でも、色々と今後の伏線になるような会話がたくさんありました。
© 藤田和日郎・小学館
笑いについて、フランシーヌ人形がいかに真剣に考え、悩んでいたのかということがわかるような結構面白いやり取りだったんだけど、道中の会話は全部カットです。
そして、黒賀村で初めて対面したアンジェリーナとフランシーヌ人形。
母ルシールにフランシーヌという叔母がいたという話は、原作ではサハラ編でルシール本人が占い師アルメンドラから聞いた情報でした。
しかし、アルメンドラは存在をカットされてたのでもうこの話はスルーされるものだとばかり…。
こんなところにサラリと入れてくれたんですね(笑)
エレオノールの誕生
© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
「お願い、あなたに取り上げてほしいの。」
話の途中で急に産気づいたアンジェリーナは、産婆の到着も間に合わないことを知り、医術の心得があるギイに助産を頼みます。
正二も医者だろ!と突っ込みたくなりそうですが、原作での正二はベテラン産婆のタミさんを山の向こうまで迎えに行っているので途中まで不在なんです。
でもアニメではタミさんの存在自体が消えている!
面白くて口の達者なちゃきちゃきの婆様で、結構好きなキャラクターだったのに…残念です。
© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
「では…人間は…人間を自分の体内で創り出すのですか!」
ギイから人間の分娩についての説明を受けて驚くフランシーヌ人形。
これまでの冷徹なイメージとは違って、だんだんと可愛らしいところが見えてきました。
それにしてもオートマータとしろがねが出産の場に同席するというこの環境は実に不思議で魅力的です。
フランシーヌとギイの会話がすごくいい味を出してるんだよなぁ…。
© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
かくしてエレオノールは、赤ん坊に柔らかい石を移植しようとしていたギイの助けでこの世に産まれ出て、オートマータフランシーヌの尻たたきによって初めて呼吸をし、産声を上げたのでした。
逆子ではあったものの、尺の都合上あっさり産まれてきてくれましたね。
この出産シーン、ほんとはもっと大変でもっと感動的なんです。
なんかあっという間で思ってたよりちょっと感動が薄かったなぁ…。
だけど次回こそはきっと…!
期待してます。
コメント