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【からくりサーカス】第4話…カット&改変が目立った序盤の山場

からくりサーカス第4話阿紫花「お代はいかほどいただけるんで…?」

© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン

「で…お代はいかほどいただけるんで…?」

依頼主への義理立てを理由に勝の誘いに渋い顔を見せていた阿紫花でしたが、貞義の思惑を知って翻意します。

父の遺産で阿紫花を雇い、味方につけることに成功した勝は、阿紫花とともにグリモルディに乗って鳴海としろがねの救出に向かいました。

【からくりサーカス】第3話…これは生きる意志に満ちた獣の目だ!!



第4幕 コラン

立ち上がる勝

勝を騙そうとした善治に制裁を加えたのち、建物の屋根から鳴海としろがねが捕まっている塔の上階へと飛び移った勝たち。

何とか二人を囚われの身から解放しますが、そこで誘拐組の人形使いたちとの交戦になり不利な形勢へと追い込まれます。

必死に勝を逃がそうとする鳴海としろがね。

それに従い、一度は逃げようとした勝でしたがすぐに考えを改め、踵を返します…。

 

このシーンです。

序盤からずっと気がかりだったのは。

 

やっぱりちょっと軽いというか…

印象が薄いかも。

この少し前の鳴海としろがねのシーンでもいろいろ足りないなと感じたんですが…

そっちがどうでもよくなるくらい勝のシーンが気になる。

 

原作では、時限爆弾の爆発が迫る中逃げろと言われた勝は、死にたくないという思いに駆られて無我夢中で出口へと走り出します。

そして、その途中でふと我に返り、自問自答するのです。

逃げる…? 何から…

さらわれるコトから? 無理やり養子にさせられるコトから?

死ぬことから!?

ぼくは、もう…一回死んでいるのに?

からくりサーカス3巻

勝は、窓を割って死ぬ気で飛び降りたときに泣いてばかりだった弱い自分は殺したはずだと思い直します。

そこで勝の意思の矢印が指したのは「逃げない」の選択肢!

からくりサーカス3巻勝運命の選択肢

© 藤田和日郎・小学館 

そこから怒涛の「逃げない」推し。

からくりサーカス3巻逃げない勝

© 藤田和日郎・小学館 

2話目のグリモルディ襲撃の際には「逃げる」を選択し、泣きながら走り去った勝が、この場面ではこうして恐怖に立ち向かいます。

「逃げる」勝のシーンはこちらの記事から↓

【からくりサーカス】第2話…アニメでカットされた勝の心情描写

勝の成長を分かりやすく印象的に描くこの演出がとても気に入っていたので、できればアニメでも熱いシーンに仕上げて欲しかったんですが…

なんだかさらっと流された感がありますね…。

 

勝があるるかんを立たせたシーンも、アニメではすんなり立ってくれたようですが、実際は立ち上がらせるのも難しい人形操り。

勝も初めはしろがねの人形操りを思い出しながら動かし方を探っていました。

そして、ぎこちない動きのあるるかんに自分の思いを重ねて、必死の叫びとともに立ち上がらせます。

――立て。立て、あるるかん。

ぼくだって…ぼくだって立ち上がるから!――

「立てぇ、あるるかん。」

からくりサーカス3巻

この、「ぼくだって立ち上がるから」という心の声をぜひとも入れて欲しかった!

そこから、コランに繋げてくれたらもっとかっこよかったのに…と思わずにはいられません…。



一時閉幕

見よう見まねで繰り出したあるるかんのコラン。

それと同時に屋敷中に仕掛けられていた爆弾が爆発しました。

崩れた屋内からの脱出を試みる途中で下階へと落下してしまった勝。

 

このとき、原作では足を負傷して動けずにいる善治を勝が助け、これまでの行いを許すという場面があり、勝の人間性を垣間見ることができます。

しかしアニメでは善治おじさんは完全にスルー。

駆け足なので仕方がないですね…。

 

そしてついにきてしまった序盤の山場。

からくりサーカス第4話勝を守る鳴海

© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン

「笑うべきだとわかった時は…泣くべきじゃないぜ。」

鳴海が勝を守る感動のシーンです。

炎が燃え盛るなか、鳴海の背中にのしかかる木材…。

…あれ?

いろんな意味で嫌な予感がしてきました。

なんか違うんだけど、これ大丈夫?

 

からくりサーカス第4話鳴海の腕

© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン

!?

翌朝、気がつくとそこには鳴海の腕だけが…

って、さすがにこれはムリがある。

炎の中で一晩過ごして腕だけ残ってる(それも案外綺麗なまま)というのはどうなのか…。

原作では明確に夜が明けた描写はなかったので、私は普通に数分、または数時間しか経過していないと思っていました。

 

そもそも原作でのこのシーンは、炎の海ではなく地下水路。

鳴海の背中に襲い来るものも、絶え間ない激流と岩やコンクリートの破片です。

アニメはいろいろとカットした都合でなんだか不自然になってしまってますね…。

さらに原作では鳴海の「笑うべきだとわかった時は~」のセリフのあと、再び大きな爆発のようなものが起こっていました。

なので原作を読んだときは腕だけが残ったシーンに全く違和感を感じなかったんですが…。

アニメは色も鮮やかで妙に背景があるから不自然さが際立つのかな…

からくりサーカス3巻鳴海の腕

© 藤田和日郎・小学館 

同じシーンでも、見せ方って大事ですね。

やっぱりページをめくったときのインパクトはアニメでは再現しきれないようです。

アニメも音楽はよかったんだ、音楽は…!

う~ん…惜しい!

足りない描写

この回はとにかくカットが多くて、ファンには物足りない部分もあったのではないでしょうか。

原作を読んでいればこの駆け足具合でも補完できるけど、未読の人はおいてけぼりになってないかな…。

何より熱い場面、感動の場面が伝わっていない気がしてしょうがないんですが。

 

カットせざるを得ない部分が出るのはしょうがない…

でもこの作品においては特に過程やセリフの繋がりなど、原作からの感動を伝えるには重要なものがたくさんあります。

今回の最後のシーンもアニメでどんな風に描かれるのか…とても気になっていたところだったので、身構えていた分少し拍子抜けしてしまいました。

そしてこの回はもっと感動した!って感想にしたかった…

できれば熱いシーンの勢いだけでも壊さずに再現してくれたら…と強く思った第4話でした…。

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