© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
仲町サーカスを出た勝は、自分の過去と向き合うためにはじまりの場所である才賀貞義のからくり屋敷跡へとやってきました。
第15幕 はじまりの場所へ
勝と貞義
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「ぼくは今日、自分の考えでたまたまここに来たんだよ…それを父さんはどうして…」
手紙のおかしな書き出しと、30年も前から勝がこの場所に訪ねてくることが分かっていたかのような手回し…
焼け落ちたからくり屋敷跡で管理人に言付けられていた貞義からの手紙と鍵の束を受け取った勝は、まるで操られているかのような見えない力を感じて戦慄します。
物語の核心に迫る不気味な雰囲気が増してきました。
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「おまえは才賀勝では、ない。」
「才賀貞義は才賀勝になったのだ。」
手紙で指定されていた部屋の古めかしい蓄音機から流れてきた貞義のメッセージ。
原作を読んでいた時の私の頭の中は勝と同じ、え…?え…!?というハテナがたくさん浮かんでいました。
疑問がスッキリしないと先に読み進められないタチの私は、突然のトンデモ展開に何度もコミックスを読み返したのを覚えています。
何せ、勝の遺産相続どうこうの話以来随分間が開いていたし、貞義の存在がまさかそこまで重要になると思っていなかったので…。
漫画に声はついてませんしね。
転送(ダウンロード)
才賀貞義が行おうとしているのは、自身の記憶を勝の脳に移し変え、若い体を得て再び生きるということ。
勝の脳内に埋め込んだチップに貞義の精神データを『転送(ダウンロード)』すると、その後チップは溶けて痕跡も残らないというなんとも恐ろしい企みです。
アニメでは描かれていませんでしたが、実は部屋の中には大量のしろがね(エレオノール)の写真がありました。
何か意図があってカットしてたのかな?
その写真が貞義の”あるひとつの目的”に繋がっています。
才賀貞義、いろんな意味で怖いです。
ゴイエレメスとキャプテン・ネモ
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「よくもそこまで成り代わったものだな。才賀貞義。」
貞義の言葉に絶望し、途方に暮れる勝の前に現れたのはどう見ても好意的とは言えない雰囲気の黒賀の里の人形使いたち。
“転送(ダウンロード)済みの貞義”だと勘違いされた勝は襲い来る人形使いに慌てふためきますが、貞義が残したサポート用オートマータのグリュポンの手引きにより、マリオネットを操って危機を脱します。
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大きくて重いゴイエレメスは勝の力ではなかなかうまく動かせませんが、破壊力は十分。
その後勝はあまり使ってなかったような気がしますが、物語の終盤にまた出番がある…かな?
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二体目は海賊風デザインのキャプテン・ネモ。
操作感はゴイエレメスとは真逆で、勝曰く「ふわふわしてやりづらい」。
沈没船に出てくるガイコツ船長みたいな幽霊っぽいイメージだから軽いんでしょうかね。
イメージに合わせて操作感に違いがあるっていうのはユニークで面白いです。
だけどここのシーン、グリポンくんからの操作のアドバイス…なんかちょっと違う…。
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原作では上のような動きだったのが、アニメ版ではセリフも変わり、
「右中指で円を描き、左の手の平の上に引き込んで!」
というアドバイスでなんだか変な動きになってました。
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かっこよくないじゃないか…!
原作のこのシーンの動き、実は結構好きだったのでショックです…。
絶対元の動きのほうがかっこいいと思う!
人形を操ってる時の動きのかっこよさって大事だと思うんですけどね。残念。
ジャック・オー・ランターン
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ゴイエレメスとキャプテン・ネモでなんとか身を守った勝は、退却する人形使いたちを追いかけるために三体目のマリオネットジャック・オー・ランターンを動かしました。
ジャック・オー・ランターンは『ジャコ』という愛称で呼ばれ、今後勝の相棒として大活躍してくれます。
攻撃ギミック満載で空も飛べるジャコは使い勝手がよく、勝にも操作しやすい親切設計。
何よりかわいい。
勝にピッタリのマリオネットです。
勝はジャコに乗って黒賀衆の車を追いますが…
「退却」から「勝(貞義)の連行」へと計画を変更した黒賀衆の捕獲網に捕らえられ、少々荒っぽい方法で黒賀の里へ。
そして死んだはずの祖父、正二と再会します…。
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さて、しばらく鳴海サイドの駆け足展開が続いていましたが、今回のエピソードはわりとしっかり描いてくれていたようでちょっと感激しました。
ここまで大急ぎで飛ばしてきたおかげですね。
…ん?なんだこの謎のハードルの下がり方(笑)
それでも、ここからはとっても感動的なエピソードがたくさん出てくるはずなので、ぜひともゆっくり名シーンを見せてもらいたいです。
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