ゾナハ病に対抗する機械「ハリー」のもとに辿り着いた鳴海とミンシア。
そこには2体のオートマータが待ち構えていました。
第24幕 脱出へ
ドリル・セプテンバーとブロム・ブロム・ロー
鳴海とミンシアの前に立ちはだかったのはドリル・セプテンバーとブロム・ブロム・ロー。
阿紫花対パンタローネ戦に引き続き、このシーンのバトルも動きが滑らかでかっこよかったです。
ドリル・セプテンバーの「なめてるよ、バーカ!!」ってセリフが予想以上にヤンチャで個人的にツボでした。
鳴海に一瞬でやられてしまったけど、このキャラはヤンキーみたいな口調とファニーな服装のミスマッチ感が面白い。
「私のブランコはこんなにたくさんあるのだよ。」
ドリル・セプテンバー戦があっという間だったのに対して、空中ブランコのギミックを操るオートマータ、ブロム・ブロム・ローにはミンシアも鳴海も苦戦を強いられます。
オートマータ攻撃部隊のチームリーダーを名乗るだけあってかなり強い。
実はこのオートマータは藤田先生ではなく読者(当時18歳の少年)が考えたキャラクターです。
少年サンデー誌上で募った人形デザインコンクールで「自動人形大賞」を受賞したのがこのブロム・ブロム・ロー。
面白いデザインだし楽しげなブランコのギミックも作品にマッチしてて素敵。
アニメにもばっちり出番があって良かったですね。
読書に興じたりヤスパースの「限界状況」を引き合いに出したりとかなりキャラも立ってて、大賞受賞作品ならではの活躍ぶりです。
ちなみに、ブロム・ブロム・ローが読んでいた本の表紙には漫画では「KARL JASPERS(カール ヤスパース)」と書かれていましたがアニメではドイツ語で「Was ist der Mensch?」という文字が。
「人間とは何か?」
えらく哲学的。
ヤスパースに興味を持つくらいだからよほど人間について関心があったんでしょうね。
「越えるさ…何度でも越えるさ。オートマータがこの世に一匹もいなくなるまで。」
どんな力をもってしても解決できない不可避的状況、ヤスパースの言う「限界状況」は他者との交わりによって「心理」を見つけることができる。
ブロム・ブロム・ローは鳴海が人間であるがゆえに、限界状況とも言える現在の窮地を乗り越えることはできないと考えていましたが鳴海にはサハラで共に戦ったみんなの力がついていました。
「おまえは、一人の人間と戦っているつもりだったようだが…オレは一人じゃなかったんだぜ!」
鳴海と鳴海の体に受け継がれたしろがねたちとの「人間同士の交わり」が「限界状況」を超える力になってくれました。
長足クラウン号
戦いを終えた鳴海のもとにやってきたのは阿紫花が呼び出した『長足クラウン号』。
長足クラウン号はピエロの頭がついた列車型のオートマータです。
原作ではサハラの戦いで真夜中のサーカスから脱出するときに使われてたんですがアニメではこのシーンが初登場ですね。
アームがついてて貨物を自分で積んでくれるのとかすごく便利だし列車のオートマータって発想が面白い。
呼び出すときの阿紫花の「ここが駅、駅長さん鳴らす笛ぽっぽう!乗車すんぜ来おい!!」って合言葉?も独特で印象的です。
パンタローネの援護
「なぜギイを助けた?」
「フランシーヌ様がそう命じられたのだ『人間を傷つけるな…』と。もっとも、フェイスレス様はあの御方を『エレオノール』と呼ぶが…」
ボロボロになりながら戦うギイのもとに助太刀に来てくれたのはパンタローネ。
エレオノールの命令に加えて、阿紫花に言われた「新しく生まれ変わったつもりで今度こそご主人様の命令を守ってみたらどうだ」という言葉がパンタローネを動かしました。
敵だったはずの人物が味方になる熱い展開。
ハリーと子供たちを乗せた長足クラウン号が無事逃げ切れるようオートマータたちと戦うパンタローネはもうすっかり主人公サイドのキャラみたいですね。
「勘違いするなよ!てめえには吐かせることが山ほどある!」
ツンデレの常套句みたいなセリフを叫びながらパンタローネを援護する鳴海。
サハラで敵対していた二人が共闘してるというのがグッとくる!
しかもクラウン号に乗り遅れた鳴海をパンタローネが曲芸よろしく身を乗り出して引き上げてくれるっていうのがまたいい。
パンタローネたち最古の三人がどんどん憎めない奴になってきました。
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