© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
喧騒の中で鳴海を見失った勝としろがねは、オートマータの自爆に巻き込まれて倒れていたギイを発見します。
ギイに手厚い看護を施すしろがねの姿を勝は怪訝そうな面持ちで見つめていました。
第9幕 記憶
勝の決意
しろがねを「エレオノール」と呼ぶギイの存在に複雑な感情を抱く勝。
アニメでは尺の都合で随分と物分りがいいみたいですが、原作での勝は不機嫌さMAX。
露骨に顔には出さないまでも、額にはずっと怒りマークを浮かべてしろがねにそっけない態度をとっていました。
しかも勝の機嫌の悪さはかなりしつこく続き、原因の分からないしろがねはアイデンティティが崩壊するほど困惑しています。
しかし勝が怒っていたのは、自分ではなく鳴海のため。
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“いい子”の勝が垣間見せた珍しい拗ね顔は印象的でしたが、こんな風に不機嫌になるのもやっぱり人のためというのが勝らしいですね。
その後、漫画のほうではオリンピアとあるるかんの腕の謎について触れたり、勝の素性がみんなに知られてしまったりとまだ暫く仲町サーカスとの付き合いが続きます。
しかしアニメではそんなことやってる余裕は無いので、しろがねの鳴海への想いを確認できた勝は自分の過去と向き合うため、さっさとサーカスのテントをあとにするのでした。
物語のルーツ
場面は変わり、鳴海サイドへ…。
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ここも語りとダイジェスト画像でなんかいろいろすっ飛ばしてきたー。
容赦ない。
ルシールはクールで落ち着いたキャラクターみたいになってますが実は漫画のほうではデフォルメ絵でお茶目な部分が見られるシーンが結構ありました。
そのうちのいくつかがミンシアとのやり取りで、ミンシアがルシールの中に残る人間性を引き立たせる役割も担っていたはずなんですが、カットが多すぎて二人の関係がものすごく希薄です。
今後の感動のためにもう少し絡みが欲しい所でしたが残念ですね。
王アニキも出ないし、ルシールとミンシアが二人で崖下に落ちるエピソードもカットされているのであっという間に師匠のもとにたどり着きました。
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そしてこれまでのいきさつを話した鳴海は、師匠からしろがねとオートマータのルーツとなる白家の話を聞かされます。
白銀・白金とフランシーヌ
アクア・ウイタエを飲んで得た記憶から、200年以上も前の出来事を自分の記憶のように脳裏にちらつかせる鳴海。
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白銀の顔は鳴海そっくりですが、声は関智一さんです。
すごく合ってる…!
むしろ鳴海の声も関さんでよかったのでは…と思うくらい…
白金のほうの声は古川登志夫さん。
ちょっと苦しいけどまあ、意図は分からなくもないのでなんとも…。
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林原さんのフランシーヌはすごくはまってました。
全然嫌味やあざとさがなくて本当に純粋なキャラクターというのが伝わる演技。
しろがね(エレオノール)よりもこっちのほうが断然いい!
このシーンの笑い声なんか最高でした。
やっぱり明るい女の子役のほうが良さが際立つ気がします。
教会のモデルは聖ヴィート大聖堂
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フランシーヌとの出会いで、”己が心理に届くための学問”である錬金術を学ぶことに迷いを生じていた白銀。
そんな折、ふらりと立ち寄った教会で祈りを捧げるフランシーヌに再会し、その深く広い慈愛に心を揺さぶられた白銀は衝動のままに結婚を申し込みました。
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百塔の街プラハにはたくさんの教会がありますが、このとき二人が愛を誓った教会は聖ヴィート大聖堂がモデルなのではないかと思います。
聖ヴィート大聖堂は城壁で囲まれたプラハ城の内側にある、チェコで最も大きく重要な教会。
アニメでは外観デザインがそのままそっくり描かれています。
写真のほうには写っていませんが、白銀が眺めている教会の両脇にある建物も実際のものと同じです。
また、聖ヴィート大聖堂というと有名なのはアルフォンス・ミュシャが制作したステンドグラス。
チェコ芸術の最高傑作と言われるミュシャの作品は必見ですが、礼拝堂にはほかにもたくさんのステンドグラスが飾られていて、その雰囲気を再現するようにアニメでも人物の後ろに何度かステンドグラスが描かれていました。
内部の様子はアニメとは少し違います。
でもこんな素敵な場所で二人は夫婦になったんですね!
関さんと林原さんの演技にも引っぱられて、感動的なシーンでした。
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「いいえ、これがいい…」
欲を言えば、ここの「いいえ」は原作どおり二回言ってくれたら最高だったかな。
さて、次はちょっと憂鬱な回になりそうです…。
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