こんにちは、キーアです。
「ゴッドイーター3」Ver2.20の追加エピソード《過去との邂逅 リカルド編》をプレイしてみた感想の続きです。
※ネタバレだらけだよ。
過去との邂逅 リカルド編 その2
導きの光
次の感応領域に行く前に、リカルドが肩慣らしに簡単なミッションに誘ってきました。
「いい景色だと思わないか?昔、この辺りで戦ってたことがあるんだ」
そうですね、山のようにコクーンメイデンの死骸が転がっていること以外は確かにいい景色かもしれないですね。
厄災が起こった後、またもリカルドは行く当ても帰る場所もなく各地を転々としていたそうです。
リカルドのような従来型のゴッドイーターは灰域への耐性が低いため、どこかのミナトに所属して前線を退くか、AGEの管理をするかの選択を強いられますがリカルドはどちらも選びませんでした。
「今更組織に身を置く気にはなれなかった。かといって、子供を戦場に送り出す仕事なんて御免だった」
リカルドは夢も生きる目的もすべて見失い、ただ死に場所を探して生きていました。
そんな生活が何年も続いたとき、イルダが灰域踏破船クリサンセマムに乗ってリカルドの下へ現れたのです。
各地を転々として居場所もはっきりしないリカルドをわざわざ探し迎えに来たイルダは、一緒に“夢物語”を実現させないかと手を差し伸べました。
それはあの日の負い目や同情なんかではなく、リカルドの経歴や能力の全てを調べ上げた上で、リカルドが適任だと判断したのだそう。
彼女のその目には、あの日消えたと思っていた強い光が確かに宿っていました。
「そん時のオーナーは本当に格好良くてねぇ……気が付いたら俺はあの人の手を取っていたよ」
イルダのその言葉で、その行動で、リカルドはどれだけ救われたんでしょう。
それからは2人でミナトのために右往左往。どれだけ大変でも、今までより充実した毎日を送ることができていたようです。
「だが……あの人の隣に、もうヴェルナーの姿はなかった」
あの日から数年の間にイルダとヴェルナーは別れてしまっていた訳ですが…、今思えばこれもなんでなんだろう?
彼の性格からすれば、一度決めた事、正しいと思う事は貫き通す人間だと思うんですが、夢半ばで決別した理由が分からないんですよね…。
「もしもの話……あのまま二人が手を取り合って同じ夢を見続けていたら……今よりもっと素敵なミナトが完成していたと思わないか?」
確かに、AGEを守ろうとしたヴェルナーの思想が行き届いていれば、ペニーウォートのような非道なミナトは無かったでしょうね。
さて、せめてもの罪滅ぼしになればと思ってここまでやってきた、と零すリカルド。
2人を引き裂いたのは自分だと、今ここにいるべきなのは自分なんかではなくヴェルナーの筈だったのにと、そんな気持ちが今もずっとリカルドの中にはありました。
そんなリカルドに主人公は「まだ道の途中だ、これからもっと良くなっていく」と助言します。
どっちが人生の先輩だか分からないですね。
「まだまだ、立ち止まってる場合じゃない…ってか」
どんな状況でも前を見続け、夢のために戦い続けている主人公たちハウンドの言葉は今更ながらリカルドの心を打ちました。
「ありがとうな…色々聞いてくれて、胸のつかえが少し取れた気がするよ。さてと…それじゃあ自分の過去にけじめつけに行くとするかぁ」
ようやく吹っ切れたようですね。
大型アラガミが出てくる最深部では頑張ってもらわないと困るのでよろしくお願いします。
それにしても…みんな、主人公の言葉に簡単に心動かされすぎじゃない…?
何年も抱え込んできた負の考えを吹っ飛ばすような大それたこと言ってないよ?
クリサンセマムの守護神
主人公のスーパーカウンセリングであっけなくさっぱりしたリカルドは勢い余ってキースへの掃除の指摘が厳しくなってしまったようですが、とにかく万全の状態で最深部へと突入です。
リカルドの心の奥底に浮かぶ風景は、今まで枷となっていた重いものばかり。
グレイプニル時代に仲間を見捨て逃げ出した過去。
サテライトを破壊するアラガミを前に不本意ながら撤退した過去。
夢を追う2人を遠くから眩しく見ていた過去。
その中には、イルダが手を差し伸べてくれたことも、同じ大きさで描かれていました。
「さあ、残った仕事を片付けちまおう。といっても、最後に待ち受けてるもんが何かはもう分かっているがね」
現れた『記憶の結節』は、イルダと2人、クリサンセマムで四苦八苦していた頃の事でした。
リカルドは持ち前のトーク力を活かして大口の取引に話を付けてくるなど、戦闘以外の面でもその能力の高さを発揮していました。
アラガミを相手にするよりもしんどいと言うリカルドですが、今までのどの時よりも毎日が充実していたそうです。
そんな彼に、イルダは疑問に思う事がありました。
「どうして、そんなにも力になってくれるの?」
リカルドの能力の高さは折り紙付き。自分が無理矢理引っ張ってきたとはいえ、もっと条件のいい職場も見つかるはずなのに、なぜ自分の下で率先して損な役回りを請け負って尽くしてくれるのか。
「はは、まったく…残酷な質問だ。これを本気で疑問に思ってるんだからな、あの人は」
その理由を、リカルドは答えることができませんでした。
それは過去の負い目や引け目から、ヴェルナーとの夢を守れなかった罪滅ぼしのためなどと言えるはずもなく、その場は適当にはぐらかしたそうです。
「それに…言っちゃいけねえ気持ちだって胸の中にあったからさ」
お、やっぱりそういう感情があったんですね。
でも、リカルド…そりゃそうだよな…そこに踏み込んでいける訳がないよな…。
しかし、今のリカルドはもう迷いません。過去の全てにケリをつけるためにここまで来ました。
あの日、サテライトを破壊しイルダ達の夢を阻害したアラガミ、グウゾウの姿をした『記憶の結節』を前に決意を語ります。
「いつか貴女と一緒に理想郷に辿り着けたら、あの時の疑問に必ずお答えします。だから待っていてください。俺は今……心ん中の重石をぶっ壊して帰ります!」
リカルドのコアエンゲージが発動。
今までのエンゲージ『倹約のススメ』は、あらゆる行動のOPとスタミナの消費量が10%軽減されるものでしたが、コアエンゲージ『目覚めし守護神』では、フルバースト状態になり、OPとスタミナの消費量が15%軽減されるようになります。
…名前のグレードアップ具合に反して効果の強化幅が微妙ですが、武器種によってはかなり役立つ効果で恩恵が分かりやすいので強いと思います。
「ついてきな!ボサッとしてると置いていっちまうぞぉ!」
突然ハイになったリカルドさん。
そう言いながらも遥か後方からレーザーを照射している姿は流石の一言です。
ところで気になったんですけど…ここでのやり取り、エイミーも聞いてるのでは。
リカルドの秘密を知ってしまったエイミーが一人あわあわしている姿が目に浮かびます。
そんなエイミー達の待つクリサンセマムに戻った2人。
心身ともに軽くなったような気分だと、リカルドは主人公に礼を言います。
「この先、お前さんたちの進む道で俺の力が必要になったらどんなことでも協力するぜ」
まるで今初めて仲間に加わったかのような言いぶりですね。
今までは協力するつもりが無かったということですかリカルドさん…。
そんなやり取りをしていると、他のメンツの時には部屋から出ようともしなかったイルダがやってきました。
覚悟を決めたとはいえ、あまりにも急なお出ましにリカルドは戸惑います。
「これで更に戦力が上がった…ということなのかしら?けどあまり無茶はしないでね、リカルド。あなたが居ないと、クリサンセマムは成り立たないから」
リカルドにとって、これ以上ない労いの言葉でしょう。これは良い雰囲気だと察した主人公は気を利かせてその場を立ち去り、リカルドはイルダに話を切り出します。
「どうして……わざわざ俺なんかを選んでくれたんです?」
…これは、かつて彼女がリカルドにした質問と同じですね。
イルダなら、いくらでも他に適任者を見つけることができたはずなのに、経歴を全て調べ上げ、世界各地を探しまわってまで自分を選んだのはなぜなのか。
これに対しイルダはどこかの根暗オジさんとは違い、はぐらかすことなく答えます。
確かに他にも適任者はいたけれど、リカルドでなければいけない理由があったとのこと。
「大切な居場所を命懸けで守ろうとする覚悟よ」
リカルドが自分の命を顧みず、イルダとヴェルナー、そしてサテライトの住民たちを守ろうとした姿はイルダの心に深く刻まれ、彼女に勇気を与えていました。
イルダが苦労してまでリカルドを探し出して手を差し伸べたのは、単に同情や知人だからというわけではなく、どうしてもリカルドが必要だった理由がちゃんとあったんですね。
「私はエンゲージを使えないけれど…それでもあの日の夢は、私たちの心を繋いでくれたと信じていたから」
流石オーナー、いい台詞を言いますね…。
「倹約のススメ」とかいうふざけたエンゲージを持っていた誰かさんよりよっぽどカッコいいです。
しかし思い描く夢には現状ではまだほど遠く、ユウゴ達の“ミナトを作る”という夢に負けるわけにはいきません。
イルダとリカルドは互いに支え合い、これからも前に進んでいくのでしょう。
「守り抜いてみせますよ、今度こそ…大切な家族と、その未来を」
いつか理想郷に辿り着き、その想いを打ち明けられる日が来るといいですね。
バランの脅迫
シーンは変わり、旧市街地礼拝堂にて月明かりの照らす中、人影が2つ。
1つはアイン、そしてもう1つは灰域航行法違反の罪で逮捕されたはずのバランの船長でした。
釈放されたのか脱獄したのか…いずれにしてもこのおっさん、まだ生き残ってたんですね…。
まぁ、普通の人間なのに灰域濃度のめちゃくちゃ濃い場所に平然と出て来ていたような男なので、しぶといのも納得ですが。
「なあ、頼むよ…この交渉が成立しないと、俺は今度こそ破滅だ!」
主人公たちハウンドが持つ対抗適応型装甲の技術を横流ししてくれと、アインに頼み込んでいる様子。
おとなしく幕を引いておけばいいのに、まだ悪だくみしているみたいです。
この諦めの悪さは、一瞬でフェードアウトした犬飼博士にも見習ってほしいものです。
「何度も言わせるな。俺は貴様と交渉する気はない」
カッコいいなぁアインさん。でもその割には何回も交渉の場に来ているみたいですが…。
その気がないなら来なけりゃいいのに、バラン船長はワンチャンあると思って頑張っちゃってるじゃないですか。
「俺のコネとバランの資本力がありゃあ、あいつらなんかよりずっと早く量産化に漕ぎ着ける。超長距離走行の実現を誰よりも急いでいたのはアンタじゃねえか!」
以前はバランとも取引をしていたんでしょうけど、こんな奴にそんな事言っちゃってたんですかアインさん。
それだけ極東に行きたかったということなんでしょうけど…。
取り付く島もないアインがその場を去ろうとしたとき、バラン船長は不意に、とある名前を口にします。
「…ソーマ・シックザール」
バラン船長はどこからか入手してきた1枚の写真を見せびらかし、アインに詰め寄ります。
「AIの解析によると、厄災の三賢者の一人…ソーマ・シックザールのものらしい。誰かさんに似てると思わねえか…?」
な、なんだってー、アインさんがソーマだったっていうのかー。(これ以上ないほどの棒読み)
さてさて、意気揚々と脅しにかかるバラン船長ですが、当の本人は「それがどうした」「好きにしろ」と、別にどうでもいいような素振り。そのまま礼拝堂を後にしてしまいます。
アインはこの脅しに対して、本当はどうでもいいとは思ってはいないでしょう。
以前にユウゴが厄災の三賢者の話をしていたことも知っていますし、正体がバレればどんな反応をされるのか分かりません。
それでもアインは、ハウンド達を裏切ることはしませんでした。
「後悔するなよ…てめえも…アイツらも…まとめて破滅させてやる!」
とっておきの切り札を出しても全然うまくいかなかったバラン船長は小物感丸出しで憤慨。
この先、色々と邪魔してくるんだろうなぁ…。ゴウ師匠がうまい事助けてくれたりしないかな…。
以上、リカルド編と+αのエピソードでした。
本編で描写不足すぎたリカルドの過去が知れたので個人的には結構よかったです。
想像以上に重い過去だったのでちょっとびっくりしましたけど…。
でもちょっと違和感があったんですが…。
イルダが学生の時代に、まだミナトなんてものは影も形もなかった訳ですよね。
そんな大それた研究ができる学生ということで、まぁ若く見積もって18歳としましょう。
で、イルダは本編では28歳です。つまりミナトの基礎理論が出来てから10年ぐらいしか経っていない筈ですよね。
クレアの父ランダルは、クレアが幼少時代に「ミナトで」賊に襲われ命を落としました。
OPムービーで出てくる幼少時代のクレアを見ると、どうみても10歳ぐらいです。本編では18歳です。
20歳のユウゴも17歳のジークも、子供のころからペニーウォートにいます。
…基礎理論から実際に世界各地の地下にミナトを建造するなんて、そんな短期間で出来るもんなの…?あの人手も物資も乏しい世界で…??
その辺の歴史がよく分からなくてエピソード中ずっと頭の中ぐるぐるしてました。
それと、ルル編とかでもそうだったんですけど、ほぼ毎回同席しているフィムに台詞が無いのはなぜ??用事がないならちゃんと学校の宿題をやりなさい。
というわけで、次回はフィム編です。ちゃんと喋ってくれるのでご安心を!
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