こんにちは。キーアです。
「ゴッドイーター3」Ver2.40、追加エピソード《過去との邂逅 キース編》をプレイしてみた感想です。
※ネタバレ注意です。
過去との邂逅 キース編
自分にしか出来ないこと
「先輩!コアエンゲージの技術検証、いよいよ俺の番だね!」
ついにキース自身が検証に参加することになりました。
早く自分の目で感応領域を見てみたかったらしいですが…技術検証に挑むための手順が確立し、安全である確率が最も高い「最後」というタイミングで名乗りをあげるキースさんマジしたたか。
ちなみにキース自身が検証に参加するため、今回サポートはジーク兄ちゃんが担当します。
「大船に乗った気持ちで挑んでくれ」とのことですが、どうかその大船が泥で出来ていないことを願います。
「うおー!これが感応領域かぁ!うんうん、やっぱ数値で見るのとは全然違うなぁ!」
さらっと「数値で見る」とかいう常人では理解しがたいことを言いながら、この風景を見てテンションMAXのキースに管制のエイミーも少し引き気味。嬉々として記憶の結節の解消作業に移行します。
「食いもんと薬を見つけてくっから、お前はじっとしてるんだぞ、キース!」
「すぐ帰ってくる。…心配しないで待ってろ」
まだ幼い頃、体が弱かったキースのために、ジークとニールが毎日危険を冒して食料と薬を調達してきていました。
灰域に汚染された場所に落ちているものを拾ってくるとか余計に体調が悪化しそうな気はしますが、今更ですね。
「いつも心配で心細かったし…何も出来ない自分のことが悔しかったな…」
今では豊富な知識と優秀な技術力で無双しているキースですが、当時は勿論そんな力はなく、一人でいるのがたまらなく怖くて仕方がなかったらしいです。
兄2人に守ってもらってばかりだった自分の弱さ…といったところで、キースにはコンプレックスのようなものがあるんでしょうかね。
「いやー、感応領域をこの目で実際に観察できたのは興奮したなぁ!」
さすが技術者、他の被験者たちとは全く違う反応ですね…なぜそんな笑顔ができる…。
「これは研究が捗るぞぉ…!先輩、早く感応同期率を上げに行こうよ!なんならこの勢いのままさくっと灰域種でも倒しに行っちゃおうか!」
ハイになりすぎてとんでもない事を言い出したキースさん。
慌ててストップをかける主人公ですが…まぁ、同期率上げるためにこのあと灰域種より強い灰煉種ハンニバル倒しにいくんですがね…。
今でこそ灰域耐性をチート技術で無理矢理上げて戦闘に参加できるようになったキースですが、幼い頃は体が弱くて、ジークたちに頼りきりでした。
それでも何か兄たちの役に立ちたかったキースは、機械弄りを勉強し始めたんだそうです。
「通信機とか、武器になりそうなものとか、身を守ることに繫がる道具は俺が整備する!そうすれば、きっと俺も兄ちゃんたちを助けられる!…その気持ちが、俺の始まりだったんだ」
健気でいい子や…。
実際にキースにはかなりの頻度で助けられてきましたが、生半可な気持ちではここまで成長できなかったはず。こんな時代だからこその、美しき兄弟愛ですね。
それにしても昔のキースからは想像もつかない…というか、今回に関してはいつもよりもテンションが高いような気がするのは、単に感応領域を体験できたから…だけなのでしょうか?
なにかをごまかそうと、無理に張り切っているだけのような気が…。
押し寄せる不安
2度目の接続は、エイミーが管制とモニタリングを同時にすることになったようです。
ジークは案の定「大丈夫だ!」としか言わない泥船だったみたいなので即リストラです。
でもエイミーも大概なので気を引き締めていかないと…。
こう考えるとやっぱりキースの存在って大きいな。
「ろくに偵察にも出られないくせに一丁前に飯が欲しいのか?役に立たない犬に食わせる飯なんざあると思うなよ」
今回の記憶は、ペニーウォートのミナトに連れて来られた頃の記憶でした。
普通のAGEでもまともに扱って貰えない牢獄の中で、体が弱く適合率の低いキースは食事さえ碌に与えてもらうことができずにいました。
ジークとニールが自分の食事をキースに分けていたのでなんとか生きてはいけていましたが、キースは何もできない自分の事が情けなくて仕方がなかったと零しました。
そんな中、キースの心を救ってくれたのは2人の先輩AGEの存在でした。
「キース君だったよね?機械弄りが得意って聞いたんだけど、ちょっといい?」
「この壊れた通信機、直せたりしねーか?協力してくれたら、こっそり拾ってきた食いもんやるからさ!」
劣等感に押しつぶされそうになっていたキースにとって、自分の力を必要としてくれたことがどれだけ嬉しかったでしょうか。
ですが、恩返しする事もできないまま、名もないモブ先輩2人は任務先で帰らぬ人に…。
恩人である先輩を失った記憶はいくらマッドなキースといえども流石につらいものがあり、初回接続時とは打って変わってローテンション。
初めて自分を必要としてくれた先輩たちの言葉はキースのかけがえのない『宝物』なんだとか。
「俺にしか出来ないことは必ずある。これからも、俺なりにみんなの助けになっていくよ」
気持ちを切り替え、改めて決意を口にするキースでしたが、直後何かを考えこむように黙り込んでしまいます。
「先輩…コアエンゲージの技術検証は、全てのゴッドイーターたちの戦力向上のためにやってる。ならさ…俺みたいに、戦闘経験の浅いAGEの感応領域を、無理にアーカイブ化しなくてもいいと思わない?」
最初あれだけやる気満々だったのに、突然の弱気。
戦闘に特化した他のメンバーとは違う視点で動くことができるキースの技術は貴重だと思うんですが…キースもその事は分かっている筈。自分の力が必要とされる、というのはキース自身が望んでいたはずなのに…いったいどうしたのでしょうか。
縋り続けた希望
前回のキースの違和感が残ったまま、3度目の接続へ。相変わらず不穏な雰囲気を出してますね…。
案の定、接続開始直後からキースの脳波に異常が見られるとのこと。
…ジークがモニタリング担当だったら見逃してたかもしれませんね。ナイス、エイミー。
「ほう…お前、こんな機械も修理できるのか。犬にしては上出来じゃないか。専用の別室を与える。食事もな。しばらく役に立ってもらおう」
どんだけエグい記憶を見せらるのかと身構えていましたが、今回は「ペニーウォートで役に立ち始めた頃の記憶」でした。
キースの事をずっと「役立たず」だと馬鹿にしていた看守たちが、キースの有能さに気付いて手のひらクルーした瞬間です。
「キース!お前が直してくれた無線のお陰で何とか命拾いしたぜ!本当、お前はすげえよ…!兄貴として、鼻が高いっつーかさ!」
看守だけではなく、今まで守られてばっかりだった兄へのサポートもすることができるようになっていました。
ジークの背中を預かれるまでに成長したキースは、この時本当に嬉しかったようです。
…おかしいな…脳波の乱れとかキースの様子を見るに今回は「嫌な記憶」だと思ったんだけど…キースにとってこれは「良い記憶」の筈…。
そう訝しんでいると、濁った声が辺りに響き始めました。
『役立たずだった俺にも、ようやく居場所ができた…嬉しかった。みんなは俺のこと、天才だって言うけど、本当はいつだって、死にもの狂いで努力してきたんだ』
それは当時の記憶ではなく“現在”のキースの心の声。決して表には出さなかった、隠し続けてきた己の弱さ…。
『俺のことを信じてくれた人たちの優しい言葉も、その言葉に励まされて身に着けてきた技術も、全部…俺の宝物だ』
『だから…誰にも渡さない…!この先には行かせない…!』
その声にキースは動揺を隠せず、エイミーの管制も耳に入っていない様子。
次々と現れ始めた攻撃性のある記憶の結節はどれだけ倒してもキリがなく、感応領域への接続を緊急強制切断することに…。
それでもミッションクリアランクSSSだったのは少し笑えました。
「ふぅ…心の準備はしてたはずなのに、やっぱりダメだなぁ…俺」
「いや…心の準備をしていたからこそああなっちゃったのかも…」
キースにとってのトラウマ、他人に見せたくないもの…。その不安の正体は、過去ではなく『未来の自分』でした。
忘れがちですが、この技術検証はコアエンゲージを発現させるためだけでなく、被験者の技術をアーカイブ化して共有できるようになるというもの。
「それがこの研究の最大の強みなわけだけど…言い換えれば、それってさ…」
「誰にでも、誰かの代わりが出来るようになる…ってことだろ?」
皆の役に立ちたい、役立たずのままいたくない、という一心で必死に積み重ねてきた自分の技術が流出してしまう。
そうなればいずれ、自分よりすごい技術者が現れてしまう。「天才エンジニア」という自分だけの居場所を奪われ、やがて自分を必要とされなくなってしまう…。
そうなることをキースは何よりも恐れていました。
他の人たちには全員やらせておいて、お前マジか…とは思いましたが、キースにとって、それは何としても避けたい未来なのでしょう。
「俺だけがこんなんじゃダメだって分かってる…だけど…!」
これまで幾度となく仲間たちの危機を救ってきたキース大先生のことを用無しだなんて言う輩がいるのなら、それは問答無用で処刑ですけども。
頭では分かっていても、「もしも仲間や、兄たちにまで見捨てられてしまったら」という不安が大きすぎて焦るキース。
果たしてキースは自分の弱さに打ち勝てるのでしょうか…。
つづく。
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