こんにちは。キーアです。
「ゴッドイーター3」Ver2.40、追加エピソード《過去との邂逅 ニール編》をプレイしてみた感想です。
※ネタバレ注意です。
過去との邂逅 ニール編
何も失わぬように
ついこの間、ようやくエンゲージができるようになったところだというのに、もうコアエンゲージの技術検証に参加することになったニール。
段取りを組んでいるのは恐らく弟のキースでしょうけど…もうちょっと時間をおいて普通のエンゲージに慣れてからでもよかったのでは…。
当の本人も、自分の記憶に触れるということもあってか、あまり気乗りしない様子。
そのうちまた「俺は降りる」とか言い出すんじゃないかな…。
「だが、技術検証を進めれば、戦闘技術をアーカイブ化できるという話は魅力だな。俺とお前の力で、もっと多くの仲間を救えるようになるかもしれないわけだ」
それでも仲間を救うためにできることはしておきたいと言うニールを連れて、感応領域へと向かいます。
「甲判定のAGE…さぞ大切に扱ってもらえるだろうさ。モルモットとしてな」
「そんな…ジーク兄ちゃん…!キース…!イヤだ…俺、離れたくない!」
感応領域にて現れたニールの記憶の結節は、まだニールが幼かった頃の悲しい記憶の数々でした。
レアな『甲判定』のAGEだったが為に別のミナトに売り飛ばされてしまい、ニールは兄弟二人と離ればなれになってしまいます。
この記憶に触れたニールは「なるほど、こんな感じなのか」と、何でもないかのように感想を述べますが…心の内では怒りや悲しみがこみ上げていることでしょう…。
しかし、適合率が高い『甲判定』のAGEは貴重なので保有しておきたいはずなのに、なぜペニーウォートはニールを売り飛ばしてしまったのか…、そう思っていると。
「ついてなかったなぁ。甲判定が一人だけなら、うちで飼ってやっても良かったんだが…甲判定は、もう一人いるんだよ。お前より使えそうな奴がな」
あ、あかん。
それ、ワイのことや。by主人公
…主人公、めちゃくちゃ気まずいぞこれ…。感応同期率を上げるのに弊害が出そう。
…まぁ、元凶は全部ペニーウォートの腐った大人共なんですが…。
ニールも多分それは分かっている筈。主人公を恨んでなんか…ない…よね?
(何でだよ…俺は、家族と一緒にいられればそれだけで良かったのに…!たったそれだけのことも、願っちゃいけないのか…!?ちくしょう…ちくしょう…っ!)
目の前で誰かが傷ついたり死んでいくのを見るのが本当に嫌だったニール。
戦うことを怖れて頑なに争いを避け続けた結果、その優しさを臆病と捉えられてしまい、彼はバランへと売り飛ばされてしまったそうです。
あんな戦闘民族の集まりに放り込まれて可哀そうに…。
「ただ、ひたすらに強くなるしかない…それがバランについた俺の、最初の結論だった」
今まで戦いを避け続けていたニールが、そう結論付けたところですぐに強くなるわけでもないでしょうけど…それでも生き続けるために、ニールは足掻いたんですね。
「…当分は、面白くもない記憶を見ていくことになるだろう」
面白かった記憶なんて、ゴウ師匠のおでん事件しか今までなかったから大丈夫だ、気にすんな。
早々に病んでしまったかと少し心配しましたが、当の本人は「自分を見つめ返すいい機会だと思っている」とのこと。
「生き残っている、朱の女王の連中…あいつらの力になれるかもしれないしな…」
今はもう散り散りになってしまった『朱の女王』時代の仲間たちのことも、ニールはちゃんと気にかけていました。
…思えば、ユウゴが負傷した時も、ジークが悩んでいるときも、フィムが泣いているときも。どれだけ強くなって、『鬼神』なんて呼ばれるようになっても、仲間を大切に思う気持ちは昔のまま。
ニールはやっぱり、優しいですね。
願いが集った場所
2回目の接続で現れたのは、バランに移籍してからのニールの記憶でした。
「くそっ、ペニーウォートの奴ら…とんだ欠陥品を寄越しやがって!もういい!お前は灰域の調査に回す!最前線でバランのために死ぬのがお前の役目だ!」
甲判定のAGEとはいえ、ニールには「エンゲージができない」という致命的な欠陥があったために、バランでも酷い扱いを受けていました。
…エンゲージが出来ないなんて、正直どうでもいいといえばどうでもいいんですけどね…。ミッション中、使うことなく終わるなんてザラだし…。
さて、AGEである以上どこにも居場所はないのかと絶望していると、ニールと同じように欠陥品扱いされたAGEたちと出会います。
「ニールって言ったよな?お前も、俺たちと一緒に戦ってくれ!約束しようぜ!いつか自由になる日まで…俺たちは、絶対に死なねえって!」
同じような境遇の中にいたそのAGEたちは、絶望の中だからこそ生きるために前を向いていました。
死亡フラグまっしぐらな台詞にニールは呆れつつも、初めて家族以外で出来たつながりを大切にしていましたが、ある日彼らを悲劇が襲います。
「あ…あぁ…みんな死んだのか…?嘘だ…だって、俺たちは…死なないって…!」
突然の灰域種アラガミの襲来によって、志を共にした仲間たちは見事にフラグを回収しあっけなく全滅。
ニールも死を覚悟したその時、彼は運命の出逢いを果たします。
「灰域種は、我々が無力化した。君はまだ、生きている」
ニールはその事を、今でも昨日のことのように思い出せると語りました。それは『朱の女王』のリーダー、ヴェルナーとの出逢いでした。
「危険な灰域の奥深くに、半ば放棄されるように出撃させられた俺を、救ってくれた人だ」
AGE達が虐げられることなくただ穏やかに暮らせる世界。ニールは誰よりもヴェルナーのその思想に共感し、そのまま『朱の女王』の一員となりました。
『朱の女王』では、苦しむAGE達を解放するために時には過激な事もしてきたというニールは、その心の内を静かに吐き出しました。
「俺たちのしてきたこと、全てを理解してくれとは言わない。だが……俺たちは、仲間を…家族を守るために…ただ必死で戦っていただけなんだ…」
ニールの行いを誰も責めてはいませんが、ニール自身が割り切ることが出来ていなかったのかもしれません。その表情はとても辛そうです…。
消えない炎
3度目の接続では、いきなり白いマインスパイダーが攻撃を仕掛けてきます。
こういう場合、今までの傾向からすると、被験者であるニールの心が無意識に防衛本能を働かせているんじゃないかと思いますが…。
慎重に対処し、やがて現れた記憶の結節が語るのは、ヴェルナーの下で成長していくニールの日々の記憶でした。
「この先、どんな敵が現れようと…俺は朱の女王のために…あなたのために戦い続けます!」
ニールは元々AGEとしての適合率が高い『甲判定』だったため、戦士としての才能をヴェルナーに見いだされます。
新たな家族を守れるという実感がニールにとって何より嬉しく、過酷な訓練も彼の指導の下では辛く感じることは無かったんだとか。
今までとは違う居心地の良さに、いともたやすくヴェルナー大好き少年になってしまったニールですが、朱の女王はニールの兄弟たちがいるクリサンセマムと対峙することになります。
朱の女王の障害となるなら、実の兄弟といえどやむなしとするニールをヴェルナーは少し引き気味で窘めます。
「よせニール、この時代で、血を通わせた相手と再会できる幸運など…そうはない」
「……君にまで、家族に刃を向けさせたくはない」
ヴェルナーは、実の父親であるエイブラハム・ガドリン総督と決別し、朱の女王とグレイプニルは交戦状態にあります。
ニールにこんな言葉をかけるということは、ヴェルナーも本意ではないのでしょう。
自分と同じ辛さを背負わせたくないという優しさが伝わってきます。
つくづくこのゲームはオッサン連中がやたらカッコいいんだよなぁ…。
そして記憶は、バランの裏切りによって絶体絶命の窮地に立たされた時へと進みます。
「ヴェルナー!俺は最後まであなたと一緒に戦います!あなたの隣で、最後まで仲間を…家族を守るために戦わせてくださいっ!」
しかしヴェルナーはこれを却下。一人だけで前線へと赴き、命を落としてしまいます。
「人類を救う」という大義のために、ヴェルナーをはじめとするAGE達を犠牲にするグレイプニルを憎んでいたニールでしたが、フィムが起こした『エルヴァスティの奇跡』によって、誰もが大切なものを守るために戦っていたことを理解します。
結果、和解によって戦争は終結しましたが、ニールの中にあったグレイプニルへの憎しみは行き所を失い、ヴェルナーを失った喪失感と、仲間を守れなかった無力感だけが彼の中に残ってしまっていました。
ニールにとっては、それが何よりも大きな心の傷となっているのでしょう。
…ジークとは違い、実の兄であるソールとリースを失ったことはそれほどでもないということですかね…。
「全ては、もう終わったことだ。乗り越えて進まなきゃならない…。だが…この気持ちが晴れることは…きっと永遠にないんだろうな…」
納得できない気持ちが複雑に渦巻き、未だに前に進めずにいるんですね…。
誰よりも家族とのつながりを大切にしながら、誰よりも家族との理不尽な別れを経験してきたニール。
この検証を通じて心の曇りが晴れていくといいのですが…。
つづく。
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