過去の黒賀村での出来事を一通り知って目を醒ました勝は、グリュポンに促されて屋敷を飛び出し、その道すがらしろがね(エレオノール)と再会しました。
しかし勝は運悪く崖下へと転落して意識を失ってしまい、再び過去の記憶を見ることになります。
第19幕 影の正体
幼少のエレオノール
命は救われたものの、井戸の中のアクア・ウイタエを飲んで銀髪銀目になってしまっていたエレオノールは、アクア・ウイタエに溶けたフランシーヌ人形とオリジナルのフランシーヌの記憶によって幼い精神に大きな影響を受けていました。
ギイはエレオノールが自分自身を見失ってしまうことを危惧し、オートマータと戦うためではなく自らの幸せを阻む全てと戦えるようにと彼女をしろがねにする決意をします。
© 藤田和日郎・小学館 / ツインエンジン
キュベロンで訓練を受ける前に各国を旅する二人…。
“小さいエレオノールを連れて旅するギイさん”というのがなんだかすごくグッとくるシチュエーションです。ここまでのギャップのせいかな~。
アニメでは原作よりもギイさんの出番が少ないからどうってことない感じかもしれないけど、エレオノールを見守るギイさんっていうのがこれまたいいんですよ…。
この間の二人の旅がどんな感じだったのか、気になりますね。
「おかしいわ。何度もお会いしているのに。」
しろがねとしての訓練を積んだ後、任務としてエレオノールを日本に呼び寄せるという計画で、70年間一度も顔を合わせることなく過ごしてきた正二。
しかし70年ぶりに再会したエレオノールは人形のように感情を失っており、その彼女から発せられた一言は計画の背後に何者かの影を感じさせるものでした。
そしてギイと正二はその影は貞義=ディーンではないかとアタリをつけます。
この辺りは原作ではちょっと時系列がとっ散らかってる感じなんですが、アニメではわりとスマートにまとめられていましたね。
もしかしたら原作未読の方には説明不足だったりするのかもしれないけど、私は理解しやすかったです。
貞義=ディーンの本性
知るものが誰もいない貞義(ディーン)の過去。
貞義を調べてみても、その過去は謎に包まれていました。
しかしその後勝が才賀家に引き取られると、その頃から貞義が少しずつ黒い顔を見せ始めます。
「まあ、アンジェリーナを僕から奪ったあんたにはしゃべる番は回ってこないけどね」
黒賀村にゾナハ病をばらまき、その場に正二を呼び出した貞義。
色恋沙汰でこの大惨事かよ!
…と、当時は軽く引いてしまった気がしますが、ついに貞義がその本性を現しました。
まあね、アニメは声でいろいろとバレバレなのであんまり驚きとかは無いかもしれないですね…。
「僕が彼女を護るのではなく彼女に僕を護らせるんだ!」
貞義の企みは、ダウンロードでより正確に記憶を移し替えて勝に成り代わった自分を、洗脳したエレオノールに守らせるというもの。
さらにアクア・ウイタエで老化を遅め、エレオノールと同じ時間の流れを生きようという壮大な計画です。
とんでもないこと考えますね。
そして、例のファイルを見せられたことで勝の身の安全を守るためにエレオノールを日本に呼び寄せる段取りをしてしまった正二は、貞義の企みにまんまと乗せられていたことを知ります。
しかし早くから貞義を疑っていた正二もやられっぱなしでは終わりません。
「今ごろよく燃えているだろうなァ。大事なおまえのデータが。」
支配者のポーズで貞義を挑発。
貫禄のあるおじさまがやるとめっちゃ様になる。
正二は、ダウンロードのために準備していた貞義のデータや機材をすでに燃やしていました。
これにより、貞義のダウンロード計画は数年遅れることとなりますが、正二もまた、黒賀村の人間をゾナハ病から救うために大量の血を失い、長い眠りについてしまいます。
そしてその間に、日本にやってきたエレオノールは正二を装った貞義からの指示でサーカスに潜伏。
のちに貞義の思惑通り、勝と出会うことになります。
作品のいろいろな謎がとけて一つの線に繋がり始めた今回、原作のほうもこれまでの話を全部読み返したくなるようなまあまあの説明回っぷりなんですが、それをアニメはよくこれだけにまとめましたね…。
妙なところで勝とエレオノールが再会し、さらに崖下に転落してしまうという冒頭の謎展開には大きな改変の兆しを感じずにはいられませんが…
この辺りがからくりサーカスというお話の大事な根幹というか、ここがちゃんと理解してもらえないとこの作品は最後まで何だったんだ?って感じになっちゃうと思うので、分かりやすく説明してアニメ派の方にもしっかりついてきてもらえてるといいですね。
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