「今度はオレが…利用する番だ『エアロスミス』を…くらえ…!!」
呼吸が弱っていることでエアロスミスの探知から逃れ、リゾットを攻撃させることに成功したボス(ドッピオ)は、最後に鉄分を戻せば自分の手でとどめを刺してやるとリゾットに取引を持ちかけます。
しかしリゾットはその言葉に応じることなくメタリカをエアロスミスに取り付かせ、相討つ覚悟で機銃を発射させました。
エピソード28 今にも落ちて来そうな空の下で
リゾットの最期
©LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険GW製作委員会
「時間を0.5秒だけ吹っ飛ばした 残るのは0.5秒後の『結果』だけだ
弾丸がおまえに命中するという『結果』だけが残る」
決死の覚悟でボスを胸元に引き込んだリゾットでしたが…
発射された弾丸はキング・クリムゾンの能力によってボスの体をすり抜けるようにしてリゾットに着弾。
リゾットの復讐はかないませんでした。
これで暗殺チームは全滅…。
ボスを倒すという目的はブチャラティたちと同じだったんだから協力し合えていれば…と思うんだけど、それができないのが彼らであり、この物語なんですよね。
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「みごとだリゾット・ネエロ…」
ボスに「みごと」と言わしめ、最期まで誇りを失わずに戦ったリゾット、かっこよかったです。
そしてこのシーンは、個人的に初見時イマイチよくわかってなかったキング・クリムゾンの能力を初めてなんとなく把握できたところでもあります。
普通に攻撃を避けるとか、そういった動きよりもわかりやすい演出だったんじゃないでしょうか。
逃走と追跡
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ムーディー・ブルースが15年前の6月、写真が撮影された正確な日時を探っているころ、ブチャラティとナランチャはリゾットが倒れている現場に駆けつけ、そこにもう一人いたと思われる人物の追跡を始めました。
面識はなかったのに倒れたリゾットの姿を見ただけで暗殺チームのリーダーだと見抜いちゃうブチャラティ、すごい。
一方、鉄分を戻すというリゾットとの取引に失敗し、依然変わらぬ窮地に追われる状態のボスは、体力回復を図りながらブチャラティたちから逃走します。
途中でむしゃむしゃ食べてたカエルが思いのほか大きくてちょっとうわっ…ってなりました…(汗)
まあ、あれくらい大きくないと何の足しにもならないか…。
しかしカエルには寄生虫がいたりするので、生で食べるなんてことは真似しないようにしましょう…!
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「待て!攻撃するな!ナランチャ! こいつはただの子供だ!!」
ブチャラティとナランチャが怪しい人物を追ってたどり着いた先にいたのは、血液を抜かれ、口を靴紐で縫われた状態で倒れている子供。
やっぱりカエル食べただけじゃすぐに鉄分は戻りませんからね…
ボスは手っ取り早く血液そのものを補充したようです。
いや、それでもいろいろと問題はありそうだけど…ジョジョですから。細かいことは気にせずに!
とりあえず子供からというのはゲスいです。
口を縫い付けられるという異常な状態は、昔教会の床下から発見されたドッピオ(ボス)の母親と同じですね。
アバッキオ
写真の場所で一人、ムーディー・ブルースのリプレイを待つアバッキオの元には、サッカーボールで遊ぶ子供たちがぞろぞろとやってきました。
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「しょうがねえな どれ どきな」
ムーディー・ブルースを気にしながらも、木に引っかかったボールを取ってあげるアバッキオ。
ここの諏訪部さんのセリフ、好きです。
ジョルノには厳しく当たるのに子供には優しいいい人。
捕ってあげたあとちょっと微笑んでるのがいい。
それにしても…漫画では全然分からなかったけど背番号3、めっちゃ目立つ。
あのピンク頭はアニメじゃ丸分かりですね…。
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ボスの姿を知らないうえに、子供の集団に紛れてるなんて想像できるはずもなく…
アバッキオはすれ違いざまにキングクリムゾンに胸を貫かれてしまいました…。
終点
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「おまえが警官になったばかりの時いだいていたその『意思』は…今…おまえのその心の中に再び戻っているのだよ…アバッキオ」
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「アバッキオ…おまえはりっぱにやったのだよ…」
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「そう…わたしが誇りに思うくらいりっぱにね…」
アバッキオがかつての同僚と再会したのは「終点」と言われた場所でした。
今にも落ちてきそうな空の下で
『今にも落ちてきそうな空の下で』はジョジョの副題のなかでも一番印象的で秀逸だと思うタイトルです。
その一言でノスタルジーと哀愁、さらに晴れやかさまでもが入り混じるような、なんともいえない情緒を感じる。
そういえば、日本のロックバンド『LIGHT BRINGER』の楽曲タイトルにそのまんま使われていましたね。(アルバム『Midnight Circus』)
確か、ボーカルがジョジョ好きだったかなんかで、意識してつけられたとかいう話だった気が。
個人的には、ジョジョのタイトルの元になったのはジャクソン・ブラウンが手がけた曲でアメリカのロックシンガー・ギタリストのボニー・レイットが歌う『Under The Falling Sky』(1972年リリース)ではないかと勝手に思っています。責任は持ちません!
真実に向かおうとする意思
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「少し待てば起き上がるってッ!!そうだよな!?ジョルノ」
「アバッキオをひとりぼっちでおいていくのかよオオオオォー」
「おいてくなんてオレはヤダよオオオオオオオオオ」
あまりにもあっけなく逝ってしまったアバッキオ。
ナランチャはその死を受け入れられずに感情を露にして足掻きます。
わかっていても「アバッキオをひとりぼっちで…」からのセリフでこらえ切れずにもらい泣き…。
ナランチャ優しいなぁ。
ブチャラティもチームのリーダーとして冷酷で厳しいそぶりを見せながらも、下唇を流血するほど噛み締めてたり…
悲しい。
ちなみに、ナランチャが砂浜にべちゃっと顔からコケるシーンは原作にはありませんでした。
これは、このあとの”ムーディー・ブルースが残したもの”を示唆する演出だったんでしょうか。
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「アバッキオは最後に残してくれていたッ!これがボスの素顔だッ!」
この場所からボスの手がかりをつかむことはできなくなったかに思えたその時、アバッキオが握り締めていた石のかけらから、ムーディー・ブルースが最後のスタンドエネルギーで石面に残したデスマスクを見つけたジョルノたち。
最期の時まで真実に向かおうとしたアバッキオの意思が、ジョルノたちに希望を残しました。
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そして、ついに『死』という形でメンバーを失ってしまった護衛チーム。
何度原作を読んでいても涙無しでは見られないエピソードでした。
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