ファンタジーな世界観のもと繰り広げられる“無自覚いちゃラブコメディ”、開幕!!
月刊少年マガジンRで連載中の『白聖女と黒牧師』は、和武はざの先生による4コマラブコメ漫画です。
もともとはtwitter、pixivで投稿されていましたが、ネット上で反響を呼び、漫画雑誌への本掲載となりました。
白聖女と黒牧師1巻©Kazutake Hazano
可愛いけれどだらけ癖のある聖女セシリアと、料理上手で鈍感・過保護な牧師ローレン(本名はローレンス)のくっつき過ぎず離れ過ぎずなラブコメディ。
魔法とか魔物とか、そういうファンタジー的要素は少なめです。天使や妖精なんかはいるみたいですが。
そういえば、学園ものの日常4コマって結構ありますけど、「ファンタジー系の日常4コマ」って珍しい気がします。
今回はそんなほんわか系4コマ漫画の、思わずクスッときちゃうやり取りや、突然のカッコいい台詞などを紹介します。
もどかしい事に、物語も2人の関係も特別進展しないのでネタバレは少なめかなと思います。
白聖女と黒牧師1巻©Kazutake Hazano
この子割とやばい子だと思った瞬間。
嫌いな食べ物はありますか、という会話の中で、ローレンは貝が苦手だという事を恥ずかしがりながら白状します。
セシリアは、ローレンのその可愛らしさに悶えつつも、自分だけが知るその秘密にテンション爆上がり。
「2人だけの秘密」って、取るに足りない内容でもやっぱり特別っていうか、嬉しいものなんですかね。
「私は聖女として この街に住んでいる人々を守る義務があります でもローレン あなたについてはただのわがままです 私がずっと守りますからね」
―セシリア
白聖女と黒牧師1巻©Kazutake Hazano
さて、セシリアはだらけ癖があって家事全般無力で危なっかしくてローレンがいないと何も出来ないダメな子ですが(←言い過ぎ)ちゃんと『聖女』としてお仕事をしています。
ローレンはなにやら『悪いもの』に憑かれ易い体質らしく、セシリアは聖女の力でいつもローレンの事を護っていました。
ローレンは気付いていませんが、実はお互いに護り合い、支え合っていたんですね。
そして「義務」ではなくローレンの事に付いては「ただのわがまま」というのが微笑ましい。
時たまに聖女らしさを見せるセシリアですが、普段の印象が邪魔します…。
白聖女と黒牧師1巻©Kazutake Hazano
ローレンの学生時代の級友であるアベルが唐突に来訪します。
アベルには中々に酷い扱いのローレンが新鮮ですね。個人的には2コマ目のやり取りがすごい好き。
とても軽薄そうなアベルですが、実はとても友人思いの良い奴。
乗り物酔いが激しいみたいで、私としては親近感があってお気に入りのキャラです。
「俺は貰ったから返す側なんだよ」
―アベル
白聖女と黒牧師1巻©Kazutake Hazano
自分のために2人が何かしてくれているのでは、と今更ながらにようやく気付いたローレンはアベルに問い質します。
牧師になりセシリアと出会うまで、悪い物に憑かれて具合が悪い時にはどうやらアベルがさり気無く祓ってくれていたようです。
聖女でもない普通の人間であるアベルは、ローレンのために必死に独学でそういう知識を学んだそう。
アベル曰く、学生時代に独りだった自分に声をかけてくれたローレンへの恩返し的なものだとか…。良い友達を持ったなぁローレン…!
白聖女と黒牧師1巻©Kazutake Hazano
どうやら街の奥様方の中では、ローレンとセシリアの恋の行方についての話で持ちきりのようで、当事者2人を除いて街人全員の共通認識となっているみたいです。
「ゆうりょーぶっけん」かつ「ばいやくずみ」のローレンと外面完璧のセシリアは皆に愛されているんですね。
それにしてもこんな小さな子でも分かるのに、ローレン…なぜ…。
白聖女と黒牧師2巻©Kazutake Hazano
参拝客の忘れ物を届けに街に出てきた一行。
道中、セシリアの服装がひらひらしていて動きにくいという事で、服屋でのお買い物イベントが始まります。
しかし過去、「大勢の女性客の中で聖女様の服の買い物に付き合う」という地獄を体験していたローレンは有無を言わさずエスケープしました。
そして正論と共に合理的な行動を取ろうとするローレンに、アベルがついに言い放ちます。
しかしこの顔で言われたらローレンでなくともイラッとくるのも分からなくもない。
白聖女と黒牧師2巻©Kazutake Hazano
新しい服に身を包んだセシリアはローレンに褒めて欲しくて感想を求めますが、対するローレンはなんと「寒そうなのでこれを羽織って下さい」と自分のコートを差し出します。
嘘だろローレン…。
見かねたアベルが助け舟を出してくれるシーンですが、私もセシリアも、アベルに対する高感度がうなぎのぼりです。
ここにアベルがいなかったら終わってましたよコレ。
でも表情をみるにローレンも自分が間違っているとはうすうす気付いているのかも…?
白聖女と黒牧師2巻©Kazutake Hazano
実はアベルは普段、西の街で家庭教師をしています。
その生徒であるヘーゼリッタがアベルを訪ねて教会を訪れました。
昔、西の街にいた聖女は特別扱いされすぎたせいで、医者にかかればすぐ治るような軽い病気をこじらせて亡くなってしまいました。
そんな西の街の聖女と友だちだったヘーゼリッタは『聖女』という存在に敏感になっています。
聖女の話題が始まるや否や、すぐに話を打ち切りヘーゼリッタの事を気にかけるアベル。なんだお前やっぱり素敵だな。
アベルもなんだかんだ、過保護というか面倒見が良いというか。
普段の軽薄な言動から想像付きませんが実は苦労性なんですよね。
「もう寂しい気持ちで食事しなくていいとか」
―ローレン
白聖女と黒牧師2巻©Kazutake Hazano
ヘーゼリッタは、聖女であるセシリアと一緒にいるローレンがどんな人物なのか探りを入れ始めました。
どうせこいつも聖女を損得勘定の道具だとか思っているんだろう、と鋭い目つきでローレンを睨みますが、返ってきた言葉はあまりにもしょーもない内容で拍子抜け。
とはいえローレンは長い間独りだったので、彼にとってはそれだけでとても大きな存在なのでしょう、真剣な表情がそれを物語ります。
直前までのシリアスモードが一気にゆるい感じになってしまいましたが、2人の純粋な関係にヘーゼリッタも一安心。
しかしセシリアの事を「同居人」と言い切るローレンに、一抹の不安と新たな心配事を抱えざるを得ませんでした。
白聖女と黒牧師2巻©Kazutake Hazano
長い間同居しているローレンとセシリアの事が気になるヘーゼリッタ。
「え、あんたら何もないの?ほんとに?」とセシリアの心を抉ります。
相手が悪すぎたんだ、セシリア様は悪くないよ…。
ローレンの鈍感さはもういい加減、わざとなんじゃないのかとも思えます。
4コマ目の一同のツッコミは読者とシンクロすることでしょう。
白聖女と黒牧師2巻©Kazutake Hazano
さて、忘れがちですが、アベルはヘーゼリッタの家庭教師です。早く勉強の続きを教えなさい、と彼女はアベルに詰め寄ります。
しかし、なんやかんや理由をつけて逃げようとするアベル。
なんでこいつ家庭教師してるんだ…?
結局、勉強を教えるのに必要なものは全部揃っていたので逃げ場無し。
真顔で「詰み…」って呟くアベル、どんだけやりたくないんだよ。
「これは他の誰でもない あなたのやるべきことよ 優秀な人が他にいるからってあなたが遠慮してどうするの」
―ヘーゼリッタ
白聖女と黒牧師2巻©Kazutake Hazano
アベルは幼い頃から「見えてしまう体質」だったので、それを誰にも受け入れられず孤独な人生を送ってきた過去があります。
学生時代にローレンと出会って少しずつ明るくなって今のアベルがありますが、まだもしかしたら他人と関る事が苦手なのかもしれません。
ヘーゼリッタに勉強を教える事もそうですが、ローレンへの「お祓い」も、今はセシリアに任せっきりで、決して出しゃばろうとはしません。
空気を読んでいるのか、それとも一定の距離を保とうとしているのかは分かりませんが、いつも少し身を引いて行動しているのが今のアベルです。
そんなアベルを、まっすぐに生きるヘーゼリッタが導くこのシーン。お嬢、素敵です。
「誰かのために行動をおこすのは大事なことさ」
―メル
白聖女と黒牧師3巻©Kazutake Hazano
もう出番が無いのかと思っていた、キャラ濃いめの占い師さんが再登場。
「聖女様は一緒じゃないの?」「今バレンタインのチョコを作ってます」この会話だけで全てを察せるのは占い師としての能力…?いや、ローレンが鈍いだけでしょうね。
占い師さんはこのあとから結構な頻度で登場するようになるんですけど、よくローレンの相談相手になって彼を導いてくれる、とても良いお姉さんです。
実はローレンの生き別れの…だったりしないかな?というか何歳なんだろうこの人…。
白聖女と黒牧師4巻©Kazutake Hazano
ちょっと前に約束していた、学生時代のローレンの写真をアベルがようやく貸してくれました。
写真を見ているだけでは決して出てこない言葉でしょうねこれ。何気に言葉選びのセンスがいいぞ聖女様。
しかしその写真には当然、学生時代のアベルの姿も写っているわけで、アベルの過去に踏み込んだちょっと真面目な話になり、挙句ローレンに写真を全部没収されたのでそれ以上堪能する事は出来ませんでした。
セシリアの命に別状が無くてよかったです。
白聖女と黒牧師4巻©Kazutake Hazano
最近ローレンが怪しいと感じたセシリア達は街でローレンを尾行していました。
結局、服屋の息子に勉強を教えていただけだったんですが、気付けばセシリアがいなくなっていました。
落ち込んでいるアベルとヘーゼリッタも可愛いですが、なりふり構ってられない必死なローレンがやっぱいいですね。
そしてそんな中でも平常運転なメルさん、いいキャラだ。
白聖女と黒牧師4巻©Kazutake Hazano
人一倍孤独を恐れ、セシリアとのつながりを大事にするローレンですが、自分と彼女との関係性が何なのか、ずっと悩んでいました。
最初は「ただの同居人」でしたが、考えに考え、次第に分からなくなってきている様子。
それでも「恋愛対象」とまでは思い当たらないのは流石ですね。
あるとき、服屋の息子のエリック君に「家族なのでは?」と指摘されたローレン。
しかし、さらに考え込んで分からなくなって「家族って何だ?」と本人に聞いちゃいます。
セシリアのその答えがあまりにも簡単なことで、深く考えすぎていたローレンにようやく笑顔が戻りました。
まあセシリアにとってはちょっと複雑でしょうけど…。
以上、コミックス1巻~4巻の印象的なシーン紹介でした。
ツッコミのテンポがあっさりめで個人的に結構好きな感じだったので抵抗無く読めました。
2人を見てるともどかしくなりますが、黒い重い漫画ばかり読んでちょっと疲れたとき、こういうのを挟んだら癒されます。
ラブコメ好きな人もそうでない人も、この記事で気になられた方は是非読んでみて下さい。
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