1~4巻に引き続き、【ウマ娘シンデレラグレイ】5巻の印象的なシーンや、かわいくてかっこいいオグリキャップの様子を史実のエピソードなども交えながらまとめました。


以下、ネタバレです!
ウマ娘 シンデレラグレイ5巻の印象的なシーン
天皇賞(秋)オグリキャップVSタマモクロス

オグリキャップが勝てば前人未到の重賞7連勝、タマモクロスが勝てば史上初の天皇賞春秋連覇という大注目のレース。
珍しく先行策をとったタマモクロスに対して猛烈な追い上げを見せるオグリキャップでしたが、残り100mでタマモクロスがすさまじい力を発揮します。
タマモクロスと言えば、お父さんのシービークロスと同じ異名の「白い稲妻」!
稲妻エフェクトかっこよすぎる!
ほかのどのウマ娘よりも走りやすそうな甘さ控えめの勝負服に稲妻の演出がすごく合ってます。
ここは「白い稲妻」って文字が入ってない方がもっとかっこよかった気がするけど、見開きで迫力満点の見せ場になっています。
タマモクロスの領域(ゾーン)

これまでよりもひときわ激しい稲妻をまとったタマモクロスはゴール直前でなんと“領域“に突入。
「ゾーン」とはいわゆる”超集中状態”。
アスリートが極限に集中して高いパフォーマンスを出せたときなどに使われる言葉です。
心理学者のミハイ・チクセントミハイによって提唱されたその概念は「フロー」「ピークエクスペリエンス」「無我の境地」「忘我状態」などとも呼ばれています。
タマモクロスはこのレースでそれだけ集中していたということですね。
いつでもどこでも好きな時に現れるわけではない”ゾーン”ですが、この力が発揮されるともう敵なし。
タマモクロスは史上初の天皇賞春秋連覇、そしてGⅠ3連勝を達成します。
タマモクロスめちゃくちゃ速い!
オグリキャップも善戦したのですが中央移籍後初の敗戦となってしまいました。
それにしてもウマ娘にも「ゾーン」なんて言葉が出てくるとは。
まさかここから異能バトルみたいになってきたりはしないよね?
「おっちゃん」のモデルは錦野昌章氏?
終盤の苦しい展開でタマモクロスに力を与えたのは「おっちゃん」の存在でした。

おっちゃんとの練習の日々と約束を胸に奮起したタマモクロス。
うぅぅ幼女タマちゃんかわいいよぅ…。
頭をなでられたりもっと練習したくてもじもじしてる時の姿が最高にかわいい。
“プリティー”っぽさを感じさせないガチな勝負の合間にこういうかわいい描写が挟まってくるとさらに破壊力が増します。
小さなタマちゃんに走りを教えてくれた「おっちゃん」のモデルはタマモクロス(馬)が生まれた錦野牧場の代表錦野昌章氏でしょうか。
錦野牧場はタマモクロス(馬)が活躍しだす前に経営不振で閉鎖されてしまったため、タマモクロス(馬)の表彰式での生産者の席はいつも空席でした。
しかし錦野氏はタマモクロス(馬)が生まれた時からその素質を信じ大きな期待を寄せていたそうです。
そんなところからも「おっちゃん」との共通点を感じますね。
オグリキャップとタマモクロスのライバル関係

「いつもアンタが切っ掛けでウチは強くなる」
その言葉の通り、負けが続いていた時期にはオグリの走りに刺激を受けて勝てるようになり、今回はこうして同じレースで競うことで限界を超えた走りをすることができたタマモクロス。
お互いの走りを意識し認め合ってる二人は正真正銘のライバルですね。

オグリキャップは今回1 1/4バ身差ほど及ばなかったけれど、同世代に生まれたこの二人は今後も戦うことになります。
この時代の同じ芦毛同士というのがまた熱い。
悔しさをにじませながらも何だか晴れやかな表情のオグリキャップも印象的でした。
なぜ「芦毛の馬は走らない」と言われたのか?
メジロマックイーン然り、ゴールドシップ然り、クロフネ、ソダシ然り今でこそそんなイメージは全くない芦毛の馬ですが、かつては「芦毛は走らない」と言われていたことがありました。
同じサラブレッドなのになぜなのか。
それはただ単に芦毛の馬の頭数が少なかったことが理由です。
昔、日本の競馬は「軍用馬を選定する」というような建前で運営されていたらしいので戦場で目立ってしまう芦毛は進んで生産、輸入されることが少なく、さらに芦毛は芦毛からしか生まれないためなかなか血統が育たなかったとか。
そうなると例え少ない頭数の中から優秀な仔馬が生まれても才能を見つけてもらえなかったりうまく育成されなかったりで「芦毛は走らない」というイメージがますます定着してしまったようです。
しかし昭和後期、オグリキャップやタマモクロスの活躍によりそんなイメージは払拭されました。

確かにこの対決を見たら先入観なんてどうでもよくなってしまいそう。
圧倒的な走りで多くの人の中に定着された先入観を消し飛ばしてしまったオグリキャップとタマモクロス。
本当に今後 未来永劫 誰にも「芦毛は走らない」とは言わせなくしちゃったんだからすごいです。
88年天皇賞(秋)
「芦毛の馬は走らない」
この二頭が現れるまで 人はそう言っていた。
芦毛と芦毛の一騎打ち。
宿敵が強さをくれる。
風か光か。その馬の名は
タマモクロス2012年 JRA 天皇賞(秋) CM
奈瀬文乃=武豊とスーパークリーク

天皇賞(秋)が終わって次の舞台は菊花賞。
菊花賞には出走しないオグリキャップに代わってスーパークリークにスポットが当たります。
ここで登場したスーパークリークのトレーナー、奈瀬文乃。
女性っぽい名前だけどイケメンだ!って思ってたら体格がやっぱり女性?あれ?でも一人称が「僕」なんだが?
ってめっちゃ混乱した。
僕っ子美女(しかもちょっとキザ)は破壊力が過ぎる(笑)
彼女のモデルはスーパークリーク(馬)の騎手を務めた武豊だと思われます。
「なせ」って名字は「たけ」の50音を後ろに一つずつずらした音だし「豊」という字には「ぶんの」という読みがあります。
ぶんの→文乃。色々考えますねぇ。
奈瀬トレーナーはスーパークリークのことをかなり気にかけている様子でしたが、実際も武豊にとってスーパークリーク(馬)はかなり思い入れの深い馬だったようです。
何といってもデビュー間もない若き武豊騎手にGⅠ初勝利をプレゼントした馬ですからね。
初騎乗以降引退まで乗り変わりなく、「他の誰にも渡したくない」といつも最優先はクリークだったんだとか。
スーパークリーク菊花賞勝利
武豊が惚れ込んだスーパークリークの怒涛の末脚は漫画でもしっかり再現されていました。

外回りコースと内回りコースの合流地点にラチ(柵)が無い京都競馬場の特徴を利用して最内を攻め、集団を抜け出して一気にゴールへ。
いつものおっとりとした雰囲気のスーパークリークからは想像できないパワフルな走りと、冷静にコースを利用した作戦はお見事でした。
88年菊花賞の実際のレースでもほんの一瞬のタイミングでエグいくらい内へ切り込んでましたね。
この菊花賞での勝利が評価されて武豊は”天才”と呼ばれるようになりました。
それも納得の素晴らしいタイミング。これは武豊騎手、天才って呼ばれちゃうわ。
そしてそれに応えるクリークもすごい。
88年菊花賞
もしもその馬がその男に出会わなかったら。
もしもその男がその馬に出会わなかったら。
天才を天才にした馬、スーパークリーク。
本当の出会いなど一生に何度あるだろう。2013年 JRA 菊花賞 CM
スーパークリークもタマモクロス同様、これからオグリキャップと戦っていくことになります。
どの子も個性的でそれぞれに熱いエピソードがあるからレースがいちいち面白い。
今後の展開がますます楽しみになってきました。
現在、漫画【ウマ娘シンデレラグレイ】は5巻まで発行中。
【ウマ娘 シンデレラグレイ 】6巻は2022年2月発売予定です。
今回はレース描写が多かったけどウマ娘同士だったりトレーナーとウマ娘だったり、日常のみんなの絡みももっと見てみたいですね!
6巻のまとめにつづく!
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