【SAOアリシゼーション】第二十一話②ユージオvsアドミニストレータ

前回のつづき…

【SAOアリシゼーション】第二十一話①キリトvsユージオ…秘奥義飛び交う師弟対決

キリトとの激しい戦いの中で記憶を取り戻したユージオ。

しかし、ユージオは口元に仄かな笑みを浮かべた後、武装完全支配術によってキリトとアリスを氷漬けにし、昇降盤で上層へと昇っていったのでした。

アニメではこの後すぐに百階に到着したユージオの前に元老長チュデルキンが現われ、キリトとアリスの処遇についての会話になります。



九十九階からチュデルキンに会うまでの話

アニメでカットされている、記憶を取り戻したユージオがチュデルキンに会うところまでの話を少し。

額に埋め込まれた敬神モジュールから伝えられる”最高司祭に全てを捧げ、公理教会を守るために戦え”という命令は抗いがたいほど厳烈な一方、最上の蜂蜜のように甘美で、キリトの懸命な呼びかけと全力の剣戟なくしては目覚めることはできなかったとユージオは振り返っています。

そして、アリスが戦いに介入せず見守ってくれたおかげで今大した傷も負わずにいられたとも。

ここでユージオとアリスの力関係について触れられているのですが、ユージオ曰く、アリスの実力は整合騎士化したユージオでも到底抗えないほど強力で、仮にアリスがキリトと共闘していれば自分は目を醒ます時間さえ与えられずに斬り倒されていたとの事です。

さらに敵であったアリスがキリトと共闘していた事に思いを巡らせるユージオ。

自分たちを連行する時、そして《雲上庭園》で再会した時も全く取り付く島のなかったアリスを変えたキリトに複雑な感情を抱きます…。

しかし、アドミニストレータの詐術にはまって仲間たちを裏切り、一度は大切な記憶を捨て去ってしまった今の自分にその事をどうこういう権利はない、もうあまり残されていないであろう本来の自分でいられる間に罪を償わなければならない、と覚悟を決めるユージオでした。

 

「反逆者二人は氷の中に閉じ込めてきました。元老長閣下」

「いえ、とどめは刺していません、元老長。反逆者を足止めせよとの、最高司祭様のご命令でしたので」

アニメでは無表情に冷静な口調で話していたユージオでしたが、頭の中は記憶が戻っている事がチュデルキンにばれないようにするためにどうすればいいかを必死で考えていました。

――考えるんだ。あいつみたいに。

これまでずっとキリトの後ろに隠れてばかりで、困った時はすぐに相棒に頼り、重大な決断を全て任せてきたユージオが、この難局を切り抜けるために一生懸命に考えた末の演技だったのです。



再シンセサイズ

saoユージオとアドミニストレータ

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

チュデルキンをなんとかやり過ごしたユージオはアドミニストレータのベッドへ近づき呼びかけます。

「……最高司祭様」

無表情に、そして発する言葉は抑揚なく。

シンセサイズされた”整合騎士ユージオ・シンセシス・サーティツー”を演じるユージオ。

演技が苦手なユージオがリファレンスしたのは”何年も感情を殺しながら暮らしていた、孤独なルーリッド村での少年時代”でした…。

「……お誂え向きに記憶の穴があったから、そこにモジュールを挿入してみたけれど、横着はよくなかったかしらね……」

一メートルの距離まで近づき術式を唱えられないようにした後に胸元に忍ばせているカーディナルの短剣を刺す、というユージオの目論見を見透かしたかのように囁くアドミニストレータ。

【SAOアリシゼーション】第十三話⑤カーディナルの短剣と剣の記憶

《記憶の穴》などという空白の過去があるという自覚が全くなかったユージオは自分が最も愛する人の事について考えます。

ユージオの脳裏には最も愛する人である”アリス・ツーベルク”、そしてそのアリスと同じくらい大切な相棒キリトの姿が鮮やかに浮かんでいました。

…………アリスとキリト。二人の笑顔を、もう二度と見ることはできないのかもしれない。でも、たとえこの場所で命を落とすのだとしても、最後の瞬間まで二人を忘れることは決してない。

…………できることなら、記憶を取り戻したアリスとキリトと一緒にルーリッドの村に戻りたかったけれど……でも、もうそれを望む権利は、僕にはない。アドミニストレータの誘惑に負けて自分を見失い、誰より大切な二人に剣を向けてしまった僕には。

SAO アリシゼーション・ユナイティングより

アニメではほとんどカットされていますが、アリスやキリトに対するユージオの想いが原作小説にはたくさん散りばめられています。

アニメを見て少しでもユージオというキャラクターが気になった人は是非原作を読んでください。アニメでは原作の十分の一もユージオの魅力が引き出されていないのです。

繊細で優しく強いユージオという素晴らしいキャラクターを深く知ってもらいたいものです。

アドミニストレータに全身を麻痺させられた後、額のモジュールを引っ張り出されるユージオ。

その瞬間幼い頃の光景が目の前に垣間見えます。

きらきらと輝く金色の髪の少女アリス、そしてその隣には元気よく跳ね、いたずらっぽい笑みを浮かべる漆黒の髪をした少年…

 

アドミニストレータはユージオの額から抜き取った敬神モジュールに愛おしそうな視線を注ぎながら言いました。

「このモジュールは、完成したばっかりの改良型なの。これでシンセサイズすればその瞬間から心意の力を使えるようになるわ」

回前半のアリスの疑問がここで解き明かされました。

本来なら心意技や武装完全支配術、秘奥義や神聖術の要諦は長い研鑽を経て初めて見につくものですが、この改良型敬神モジュールをシンセサイズすれば、効率の悪い訓練なしで様々な術や技を使用可能になるようです。(ただし、現状は初歩的な技に限られる)

 

アドミニストレータは、シンセサイズに必要な、自身の心の扉を開け放す術式《リムーブ・コア・プロテクション》を再び唱えるようユージオに命令します。

それを唱えた時点で、今度こそ身も心も整合騎士になってしまうと分かっていたユージオは、胸元の短剣をどうにかしてアドミニストレータに刺そうとしますが、強力な麻痺術によって自分の意思では全く体を動かせない状態でした。

―――動いてくれ、僕の右手。

―――僕がいままでの人生で繰り返してきた、たくさんの過ち。整合騎士に連れ去られるアリスを助けられなかった、その後何年も助けに行こうとしなかった、そしてようやく旅の終着点まで辿り着いたのにそこで道を見失ってしまった、そんな僕の弱さを償うために。

SAO アリシゼーション・ユナイティングより

ユージオは、「この世界では、剣に何を込めるのかが重要」というキリトの言葉を思い出し、強力な意思の力で右手の麻痺を解いてアドミニストレータに飛びかかりました。



ユージオvsアドミニストレータ

しかし、短剣の切っ先がアドミニストレータの体に届く寸前、突如現れた紫色の光の障壁に阻まれてしまいます。

ユージオは短剣を握りしめていた右手に左手も重ね、全ての力で障壁を破ろうとしますが…

わずかに障壁を貫いたかと思われた瞬間、大きな爆発が発生し、ユージオとアドミニストレータを後方へと吹き飛ばしました。

前半のキリトvsユージオのシーンと違い、ここの作画は勢いもあって素晴らしかったですね。剣を押し込んでいるユージオの表情や手の動きに迫力がありました。

爆風によって紫の衣が引きちぎられて消滅し、一糸まとわぬ姿になったアドミニストレータ。

「でも、残念でした。いまの私の肌には、あらゆる金属オブジェクトは傷をつけられないの」

“金属武器では絶対に傷つけられない”という事の意味を理解したユージオは戦慄します。

なぜなら、もしアドミニストレータというようにメタリック属性を持つオブジェクトによる攻撃が全くの無効なら、カーディナルの短剣を含む、あらゆる剣による攻撃に意味はなく、攻撃手段は神聖術によるものだけになってしまうからでした…。

「かわいそうな子。せっかく約束してあげたのに。私に全てを差し出せばその分愛してあげるって。あなたがずっと求め続けていた永遠の愛、永遠の支配を、もう少しで手に入れることができたのに」

「違うよ、かわいそうな人。愛は、支配することじゃない。見返りを求めたり、取引で手に入れるものでもない。花に水を注ぐように、ただひたすら与え続けること……きっと、それが、愛なんだ」

ユージオは自分が考える”愛の定義”をアドミニストレータに語り、彼女の考えを否定します。

愛の定義は難しいもので、本当に人それぞれですね。

ユージオの言葉を聞いたアドミニストレータは薄っすらとした笑みを口元に浮かべます。

「………残念ね。公理教会に反逆した大罪人の坊やを赦し、魂を救ってあげようとしただけなのに、そんなふうに言われるなんて」

“少女”から”支配者”へ変容していくアドミニストレータ。底知れない威圧感にユージオは圧倒されます。

「時間はかかるけれど、あの子みたいに強制シンセサイズしようかしら。そうよ。あなたがご執心のサーティちゃん。私は眠っていたから見ていないけれど、とっても辛かったでしょうね」

アドミニストレータの誘惑に屈して唱えてしまった式句を拒み通し、心の扉を強引にこじ開けられたアリス。

最愛のアリスに塗炭の苦しみを与えたアドミニストレータに恐怖し、一矢も報いず斃れることなど許されるわけがない、とユージオは立ち上がります。

アリスに対するユージオの強い想いがよく分かるシーンですね。

ユージオが「これが、最後の剣。最後の秘奥義」と覚悟を込めて放ったのは、アインクラッド流突進技《ソニックリープ》。

ユージオの耳の奥に甦ったのはキリトの声。

――いいかユージオ、秘奥義は俺たちの体を動かしてくれる。でも、動かされるままになってたんじゃ駄目だ。

――秘奥義と一体化して、足の蹴りと腕の振りで技を加速するんだ。それができれば、お前の剣は、風よりも速く敵に届く。

ユージオの放った神速のソニックリープは、放たれる寸前だったアドミニストレータの術を消滅させて紫の障壁と激突します。

「砕……け……ろ……ッ!!」

残された気力と体力の全てを込めて剣を押し込んでいくユージオ。

青薔薇の剣は全ての金属を阻むはずの神聖文字たちをすり抜けアドミニストレータに迫りますが、もう少しというところで最高司祭は後方へ大きく跳び攻撃術を放ってきました。

本能的に青薔薇の剣でガードしたユージオは、爆風で大きく吹き飛ばされ柱に飾ってあった大型の剣に激突してしまいます。


山田孝太郎 (著), 川原 礫 (原著), abec (イラスト, デザイン)

次回につづく…

【SAOアリシゼーション】第二十一話③集結!ルーリッド村の三人組
【アニメSAOアリシゼーション】概要や感想記事まとめ

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