【SAOアリシゼーション】第九話②裁決権とノーブル・オブリゲーション

saoライオス-剣を振りまわすばかりが戦いではないぞ平民

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

前回のつづき…

【SAOアリシゼーション】第九話①ユージオvsウンベール

「剣を振りまわすばかりが戦いではないぞ、平民」

ウンベールとの試合は引き分けに終わり、ライオスとウンベールは捨て台詞を吐いてユージオの前から去っていきました。(この時のウンベールの表情おかしいですよね…)

自尊心が生み出す力の威力を知ったユージオは《剣に込めるべき何か》を見つけなくてはならないという気持ちを強くします。



貴族の責務

ステイ・クール

sao上級修剣士寮

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

上級修剣士寮は三階建ての完全な円形をしていて、中央は吹き抜けの豪華な造りになっています。

一階には食堂や大浴場、二階と三階は生徒用の居室になっており、二部屋ごとにひとつの居間を共有する構造です。

ユージオの部屋は三〇五、キリトの部屋は三〇六号室です。

saoミルクなしのコヒル茶が苦手なユージオ

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

事あるごとに演出や作画に文句を言っている僕ですが、いつもすごいなと感心している事があります。

それは料理等の飲食物の再現。

毎回料理は原作を忠実に再現しているんですよ。

キリトが美味しそうに飲み、ユージオは一口飲んで顔をしかめているこの黒い飲み物は”コヒル茶”というもの。

まあ現実世界のコーヒーのようなものですね。

休息日の前の夜は共用の居間でお茶を飲みながらあれこれ話すのが毎週の恒例ですが、キリトがお茶当番の時は必ずこの南帝国特産のコヒル茶を淹れるのです。

ユージオはそのままだと少し苦すぎるのでいつもミルクをたっぷり注いで飲んでいます。

こういう細かいところをしっかり再現しているのはいいですよね。原作愛が感じられます。

さて、アニメではライオスたちのいやがらせについて話していた二人ですが、原作では禁忌目録や院内規則の抜け穴について等、いろいろと面白い話をしています。

結構面白いので是非原作を見てみてください。民法の所有権の勉強みたいで興味深いですよ。

 

「平常心は忘れないように、ステイ・クールでいこうぜ」

これまで聞いた事がない妙な言葉にユージオは目をぱちくりさせ訊き返します。

キリトはユージオに”ステイ・クール”とは《落ちついていこうぜ》という意味で、別れの挨拶にも使ったりするアインクラッド流の極意その一だと説明しました。

別れの挨拶の時には”いつまでも素敵なあなたでいてね”というような意味合いになりますね。

「へぇ。解った、覚えておくよ。す……ステイ・クール」

その後、ユージオは明日の休息日に二人の傍付きであるティーゼとロニエと一緒に親睦会を兼ねて学院内の森に野遊びに行く事を忘れないようにとキリトに念押しします。

「明日は八時に起こしてくれ。おやすみ、ユージオ」

「八時じゃ遅いよ、七時半!おやすみ、キリト……ステイ・クール」

saoキリト-もうちょっとちゃんとしたお別れっぽい時にとっておけよ

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

「別れの挨拶っつっても、毎晩寝る前に使うような言葉じゃないんだ、それ。もうちょっと、ちゃんとしたお別れっぽい時に取っておけよ」



貴族裁決権

sao上級修剣士と傍付き錬士の親睦会

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

翌日、キリトとユージオ、ティーゼとロニエの四人は学院敷地内の森に集まりました。

ユージオの傍付きティーゼ・シュトリーネンとキリトの傍付きロニエ・アラベルは両名とも六等爵家出身の十六歳。

では恒例の料理チェックです。

今回の料理はティーゼとロニエが作った”薄切りの肉や魚、チーズや香草類を挟んだ白いパン””香料の効いた衣をつけて揚げた鶏肉””干した果物と木の実をたっぷり入れて焼いたケーキ”です。(この時点ではサンドイッチしか出ていませんが、後でしっかりケーキも)

いい仕事してますね!

さて、この時のユージオとティーゼの会話で重要なワードは《裁決権》。

貴族裁決権
四等爵士までの上級貴族に与えられている最大の特権で、”五等及び六等爵士とその家族、そして私領地に暮らす平民”に対して罰を与える事ができる権利。罰の内容は自在に決める事ができ”禁忌目録に記載されていない事なら何をしてもいい”。

五等や六等の貴族の中には些細な事で裁決権持ちの上級貴族の機嫌を損ねて断罪される者もいるとの事。

ティーゼの父は長子であるティーゼが家を継ぐ時、裁決の対象にならない四等爵士に叙せられて欲しいと願い、北セントリア修剣学院に入れたのでした。(学院代表に選ばれ帝国剣武大会で好成績を残せば不可能ではないから)



ノーブル・オブリゲーション

saoウンベールの悪行を報告し涙を流すティーゼとロニエ

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

「あの……ユージオ先輩、キリト先輩。実は、お願いがあるんです」

四人でたくさんの話をして、美味しい料理を食べた後にティーゼとロニエが改まった様子で口を開きました。

話の内容はウンベールの傍付き錬士であるフレニーカという少女がちょっとした粗相にも長時間の懲罰を課されたり、女子生徒としては受忍しがたい命令を言いつけられているので、キリトとユージオに指導生変更申請の口添えをして欲しいという事でした。

学院規則の該当部分は以下のとおり。

上級修剣士の鍛練を最大限支援するため、身辺の世話係として一名の傍付きを置く。傍付きは、その年度の初等錬士より成績順に十二名を選抜し任に充てるが、上級修剣士と管理担当教官の合意があれば、傍付きを解任し、他の初等錬士より再指名することを認める。

ソードアート・オンライン11アリシゼーション・ターニングより

つまり、フレニーカの指名を解除する為には教官とウンベールの両方の承認が必要になるという事です。

ウンベールの悪行がユージオに立ち合いで引き分けた腹いせかもしれないと知ったティーゼは大粒の涙を流しながら呟きました。

「私には……私には、解りません」

ティーゼは自分の父がいつも言っている”貴族の責務”について話しました。

saoキリト-ノーブル・オブリゲーション

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

「ティーゼのお父さんが教えてくれた心構えは、えい……じゃない神聖語で《ノーブル・オブリゲーション》と言うんだ。貴族、つまり力あるものは、それを力なき者のために使わなくてはいけない、という……そうだな、誇りと言ってもいい」

ノーブル・オブリゲーションはフランス語で《ノブレス・オブリージ(noblesse oblige)》とも言い、19世紀にイギリスの女優である”ファニー・ケンブル”が手紙にこの言葉を書いたのが最初と言われています。

SAOは貴族を中心に話をすすめていますが、現代でも富裕層や有名人、権力者、高学歴者等、俗に言う”持てる者”が負うべき社会的責任に関して用いられます。

最近の事例を挙げると「南青山の児童相談所問題」がちょうどいいですね。

南青山に住む富裕層の一部が”地域のブランド価値が下がる””一等地に児相はふさわしくない”等の理由で児童相談所建設に猛反発しているという問題です。

このさもしい人々に対して、高須クリニックの院長である高須克弥氏は「この人たちはセレブのつもりかな?やせ我慢のできる品格のある恥を知る特権階級がセレブと僕は思っていたのですが違ってますか?恵まれない隣人に優しくできるのはセレブの誇りだよ。優しくしてあげなよ」と諭しました。

時代背景によって多少の変化はありますが、このような考え方の基本がノーブル・オブリゲーションだと僕は思います。

「あの……私、キリト先輩の仰ったこと、少しだけ解った気がします。禁忌目録には書いてないけど大切な精神……それって、つまり、自分の中の正義ってことですよね。法をただ守るんじゃなくて、なんでその法があるのか、正義に照らして考える……。従うよりも、考えることが大切なのかな、って……」

いつもおとなしいロニエが力強い光を瞳に浮かべながら話し始めました。

この部分については少し注意が必要だと思います。

ロニエの言う”自分の中の正義”や”誇り”というのは人によって大きく異なり、自分では正しいと思っている事でも自分以外の人間からすれば非常識だという事も多々あります。(最近煽り運転で懲役判決を受けた被告がいい例)

自分の中の正義や誇りを信じすぎるのも問題かなと。

法の不完全さについても、王が絶対的な権力を行使する政治形態である”絶対王政”や一個人や少数者または一党派が絶対的な政治権力を独占して握る”独裁制”なら《正しくない法は法ではない》というのも間違いではないですが、現在の日本の法はそれらと比べものにならないくらいしっかりしていると思いますね。


次回につづく…

【SAOアリシゼーション】第九話③ユージオへのティーゼの想い
【アニメSAOアリシゼーション】概要や感想記事まとめ

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