©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
前回のつづき…

ライオス&ウンベールとの舌戦
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「……それで、我が友ユージオ修剣士におかれては、休息日の夕刻にいったいどのような御用かな?」
ティーゼとロニエに乞われて、ウンベールのフレニーカに対する悪行を咎めに来たユージオとキリト。
ユージオはできるだけ言葉を選びながらウンベールの行いを非難しました。
「ふむ、逸脱?なんとも奇妙な言葉だなユージオ殿。もっと解りやすく、学院則違反と言ったらどうかね?」
ライオスの言うとおり、ウンベールの卑しい行いは禁忌目録や帝国基本法はおろか院内規則にすら違反していませんでした。
それが解っているユージオは歯噛みしながら言い募ります。
「ですが……学院則で禁じられていなくとも、初等錬士を導くべき上級修剣士として、すべきではないこともあるでしょう!」
声を荒げるユージオに対して、ライオスは不敵な笑みを浮かべながらウンベールが行った行為の詳細を求めます。
ティーゼたちに詳細な説明をさせるのが忍びなく、《ウンベールの逸脱した命令》の具体的内容を聞かなかったユージオは即座に答える事ができませんでした。
ライオスはユージオの反応を楽しみながら、ウンベールに身に覚えがあるかどうかをわざとらしく尋ねます。
「とぉんでもない!何を言われているのか、さっぱり思い当たりませんな!」
ウンベールは毒々しい笑みを浮かべながらユージオの言う逸脱行為を否定します。
そして自らが行った下卑た行いを事細かに説明しつつも、それがどの規則にも違反しない正当な行為である事をアピールするのでした。
アニメではユージオが最後にウンベールに対して一矢報いたような演出になっていますが、原作ではほぼ完敗。
やはり舌戦でこの意地の悪い二人組に勝つのは簡単ではありませんね…。
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ちなみにライオスたちの部屋を出た後、ユージオは壁に向かって思いっきり拳を叩きつけていますが、原作ではやむなく振り上げた腕を下ろしています。
その理由は鍛え上げたユージオの筋力でそんな事をすれば、壁にダメージを与える、つまり建物の天命を減少させてしまう可能性があるからでした。
学院の施設や備品を意図的に損壊する行いは明白な禁忌違反になりますからね。
ティーゼの想い
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「ユージオ上級修剣士殿、ご報告します!本日の掃除、完了しました!」
毎日の定刻である四時ちょうどにやってきて丁寧にユージオの部屋を片付け、掃除の完了を報告するティーゼ。
ユージオはウンベールにフレニーカの件を抗議した旨をティーゼに話しました。
その事を聞いたティーゼはぱっと顔を綻ばせながらユージオに感謝の言葉を伝えます。
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その後、ティーゼは自分が夫を迎える事になった時、相手がウンベールのような誇りを持たない人間だったら…と将来の不安や恐怖を涙ながらにユージオに打ち明けました。
「ユージオ先輩、私……その……先輩にお願いがあるんです!ユージオ先輩、きっときっと学院代表になって、剣武大会にも勝って、四帝国統一大会に出て下さいね」
ティーゼの希望は四帝国統一大会で上位に入り一代爵士に叙任されたユージオの妻になる事だったのです。
ティーゼの希望を理解したユージオでしたが、彼の目標は昔も今も”整合騎士になり、アリスともう一度会う事”だけ…
しかし、ユージオには生まれて初めて自分の不確定な将来に怯えているであろう十六歳の少女の懇願を無下にする事はできませんでした。
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「うん……解った。大会が終わったら、きっと君に会いに行くよ」
ユージオは嘘でもいいから今震えている少女の心を穏やかにしたかったのでしょうね。
原作では”ぎこちなくティーゼの頭を撫でながら、ユージオは言った”となっているのに、慣れた仕草で頭を撫でスムーズに指で涙を拭うユージオに少々疑問を抱きましたが、制作の気持ちの籠ったいいシーンだったと思います。
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アニメ第九話からは原作小説「ソードアート・オンライン11アリシゼーション・ターニング」の内容になります。
ここまでは世界の説明等に多くの時間を費やしてきましたが、ここから一気に物語が動き出します。
次回は第十話「禁忌目録」。


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