©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
キリトとユージオは念願の上級修剣士になり、ティーゼとロニエという傍付きも得ることができました。
第九話「貴族の責務」では、ユージオとライオスたちの諍い、傍付き錬士たちとの親睦、そしてティーゼのユージオへの想いが主に描かれていました。
第十話「禁忌目録」のあらすじと感想①
第十話は、様々な意味でインパクトのある回となりました。
作画、脚本、声優さんの演技のどれをとっても、これまでのアニメ「SAO アリシゼーション」の中で最も優れた回だったと思います。
それでは、第十話「禁忌目録」についての感想や補足を気ままに書いていきたいと思います。
キリトとユージオ、傍付き錬士の不在に気づく
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嵐の夜、ユージオとキリトは上級修剣士寮の居間で、週に一度の剣の手入れを行っていました。
手入れの途中、キリトはいつもなら4時ちょうどに二人の部屋を掃除しに来るティーゼとロニエが、4時半になっても現れていないことに気付きます。心配になったキリトは初等錬士寮まで彼女たちを探しに行くことにしました。
行き違いになるといけないからと、部屋で待つように言われたユージオ。
しばらくすると、こんこんという小さなノック音が部屋に響き渡りました。
フレニーカから聞かされた事態の深刻さ
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「わ……私は、フレニーカ・シェスキ初等錬士です。ご、ご面会の約束もなしにお訪ねして、申し訳ありません。……でも、私、どうしていいか解らなくて」
フレニーカは、ティーゼとロニエが自分のためにウンベールたちに嘆願しに行ってくれたこと、そして二人が1時間以上経っても帰って来ないことをユージオに話しました。
事態の深刻さを察したユージオは一刻を争うと判断し、手入れの終わった青薔薇の剣を手に取り、急いで部屋を後にしました。
ライオスたちの部屋に急ぎ向かう途中、ユージオは頭の中で考えを巡らせます。
――狙いは最初から自分とキリトではなく、傍付き錬士たちだったのか?
そして、全て暗記している学院則の《上級修剣士の懲罰権》の部分を思い出します。
――上級修剣士が懲罰権を行使する場合は、以下に記す命令三種より一種のみを許可する。
一、学院敷地の清掃(別項に面積を記載す)。
二、木剣を用いた修練(別項に内容を記載す)。
三、修剣士自身との立ち合い(別項に試合規定を記載す)。尚、全ての懲罰において、上級法の規定を優先す。
ソードアート・オンライン11 アリシゼーション・ターニングより
ユージオは、たとえウンベールが懲罰権を行使したとしても、さほど心配する必要はないはずだと自分に言い聞かせました。しかし、不安感は一向に拭い去れません。
ライオスとウンベールの居間で見たもの
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本来であれば、事前に伺いを立て(書状にて面会の許可を得る)、訪問するのが筋ですが、頭に血が上ったユージオはそんなことお構いなしに、ライオスたちの部屋の扉を何度も強く叩きました。
「どうぞ入ってくれたまえ!」
まるでユージオが来ることを予期していたかのような言い回しに不安を感じつつも、ユージオは一気に扉を引き開け、中に入ります。
ライオスとウンベールの共用居間は、テーブルに酒瓶が転がり、どぎつい香の匂いが漂う退廃的な空間でした。
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二人は先日訪ねた時と同じ薄手の長衣を羽織り、長椅子に腰かけています。
西帝国産の葡萄酒をすすめるウンベールに苛立ちながらも言葉を選び丁重に断ったユージオはティーゼとロニエの居所を尋ねました。
「ティーゼとロニエは、今どこにいるのです!」
ライオスはユージオを部屋に招き入れます。(居間は共用で部屋は別々。ライオスが301号室、ウンベールが302号室)
咽るような香の煙に満たされた部屋には大きな天蓋付きのベッドが1つあり、そこには真っ赤な縄で縛られたティーゼとロニエの姿がありました。
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「い……いったい、どういうことですライオス殿!」
ライオスは、二人の初等錬士たちが全生徒の頂点に立つ主席と次席に突然の面会を求め、さらに上級貴族である二人に対して礼儀を欠いた振る舞いをしたと説明します。
「……ですが、ライオス殿。仮にそのようなことがあったとしても……縄で縛り上げ、寝室に閉じ込めるなど、修剣士懲罰権を甚だしく逸脱した行いでしょう……!」
ユージオの言う通り、修剣士懲罰権では先に記載した3種類の命令しか許されておらず、ライオスたちの行為は懲罰権を大きく逸脱していました。
「貴族裁決権」という圧倒的な権力
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「修剣士懲罰権?学院則にはこう付記してあるのをお忘れかな?――なお、全ての懲罰において、上級法の規定を優先す、と」
ユージオの言葉を聞いたライオスは嗜虐的な笑みを浮かべながら、まるで待ち構えていたかのように饒舌に話し始めます。
法規の優先順位は【禁忌目録>帝国基本法>学院則】となるため、六等の身分でありながら三等と四等の自分たちに無礼を働いたティーゼとロニエは、学院則ではなく帝国基本法に記された《貴族裁決権》の行使対象になると、ライオスは主張するのです。
貴族裁決権の内容は以下の通りです。
四等爵士までの上級貴族に与えられている最大の特権で、”五等及び六等爵士とその家族、そして私領地に暮らす平民”に対して罰を与える事ができる権利。罰の内容は自在に決める事ができ”禁忌目録に記載されていない事なら何をしてもいい”。
次回につづく…
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