前回の続き…
強烈な痛みで、思うように体を動かせないユージオ。
青薔薇の剣を杖代わりにして、どうにか体を起こしたユージオの前に現れたのは、元老長チュデルキン。彼は先ほど氷で閉じ込めたキリトたちを始末しにいったはずでした。
そして、その後を追うように現れたのは…
第二十一話「三十二番目の騎士」のあらすじと感想③
ルーリッド村の三人組、再集結
「よう、ユージオ」
「ごめん、僕はアドミニストレータの誘惑に負けて君たちを傷つけてしまった。せめて自分の手でその償いをしようと」
「水臭いぜユージオ。おまえの考えていることくらいすぐ分かったさ」
三人の再会シーンは、原作とアニメでややニュアンスが異なりますが、アニメならではの良さも感じられます。
ただ、個人的には、優等生ユージオと悪童キリトのやりとりが好きなので、やっぱり原作の方により惹かれますね。
ルーリッド村での初めての出会いから、ずっと行動を共にしてきた二人の関係性がよく表れる会話だからです。
「よう、ユージオ」
「………来るなって、言ったのに」
「俺が、お前の言いつけを素直に守ったことがあったか?」
「………そうだね。君はいつも…………そうやって…………」
ユージオの泣き笑いのシーンと、キリトのいたずらっぽい笑顔の描写には、制作陣のこだわりが感じられました。
大変だとは思いますが、SAOは屈指の人気シリーズなので、戦闘のシーンも含めて毎回これくらいのクオリティで作ってもらいたいものです。
ついに「ルーリッド村の仲良し三人組」が、”アドミニストレータを倒す” という共通の目的の下に集結しました。
本人たちには幼い頃の記憶はありませんが、視聴者にとってはうれしい瞬間ですね。
この再会シーンの後、アリスとアドミニストレータの会話を経て、元老長チュデルキンとの戦いへと物語が展開していきます。
チュデルキンの実力とカットされたアリスの活躍
アニメではvsチュデルキンの大半がカットされているため、この出落ち感たっぷりの元老長の無能ぶりが際立っています。しかし原作では、彼が超強力な神聖術師であることがしっかりと描かれています。
具体的にチュデルキンの何が凄いのかというと、高位の術者でも両手で10個の素因生成が精一杯なのに対し、彼は逆立ち状態で両手両足の指を総動員し、20個もの素因を同時に生成できる点にあります。
これは「ダイの大冒険」に登場する氷炎将軍フレイザードの得意技、メラゾーマ5発を同時に放つ《フィンガー・フレア・ボムズ》みたいなものかと。
この超高等術を目の当たりにしたキリトとユージオは、声を揃えて「……嘘だろ……」と呟いています。
アリシゼーション・ユナイティング/イラスト:abec
「………砕けっ……花たちっ……!!」
この場面で大活躍したのは整合騎士アリスでした。
彼女は金木犀の剣の武装完全支配術を駆使し、チュデルキンの凍素術による攻撃を完全に封殺します。
「チュデルキン、お前の信念なき技など、空気で膨らませた紙風船に過ぎません!お前自身と同じように!!」
このアリスの見せ場もアニメで描かれていれば印象的だったでしょうね。彼女の強さと気概が表れる重要なシーンだけに、カットされたことが残念です。
アドミニストレータの偽りの約束
「……いいわよ、チュデルキン。創世神ステイシアに誓うわ。役目を果たしたその時には、私の体の隅々までも、一夜お前に与えましょう」
チュデルキンの不遜でありながらもヒロイックな願いを、アドミニストレータは優しく受け入れます。
「いいとこあるぜ」と言いたいところですが、原作にはこう書かれています。
その言葉がまったくの偽りであることが、同じく嘘や偽りにまみれた現実世界人である俺には解った。
SAO アリシゼーション・ユナイティングより
かわいそう…。
「お見せしましょォォォォゥ、我が最大最強の神聖術ウゥゥゥゥッ……!出でよ魔人ッ!!反逆者どもを焼き尽くせェェッ!!」
前半のキリトvsユージオは全体的に物足りない印象でしたが、後半はより丁寧に作られている印象を受けました。
しかし、時間的制約のためか、多くの場面がかなり省略されている感があります。
削られたシーンの中には、キリトとアリス・シンセシス・サーティの関係に対するユージオの心情など、興味深い場面が多々含まれています。
これらの詳細な描写や心理描写を楽しみたい方は、ぜひ原作を読んでみることをお勧めします。
コメント
原作を読めてないので興味深く読ませてもらいました!
22話以降も頼みます!
ゆぅさんコメントありがとうございます。
ゆぅさんが日頃からラノベを読まれる方なら是非原作を読んでみてください。アニメより何倍も面白いので。
個人的にアニメアリシゼーションの出来に対して非常に不満を感じていて、愚痴ばかりになってしまったので感想を断念しました…。
いつかやる気MAXな時が来れば続きを書きたいと思います。