©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
前回の続き…
フィゼルとリネルを毒で麻痺させたキリトは、二人を殺さず自分と整合騎士たちとの戦いをよく見ておくように言いました。
キリトvsファナティオ
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
「――待たせたな、騎士ファナティオ!剣士キリト、参る!!」
名乗ると同時に一気に突進するキリトを、まずは四旋剣が迎え撃ちます。
アニメではすぐに四旋剣の包囲を突破し、ファナティオと一騎打ちになりますが、原作では四旋剣との戦いも描かれています。
四旋剣の戦法は”集団による連続技”。
四人が全て”左から右への水平斬り”を行い、相手の行動を限定しつつ、大技を放ち続けるという戦法です。
キリトは上下回避と一体になった反撃によって四旋剣の連携を崩し、ファナティオとの一騎打ちに持ち込んだのでした。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
原作ではキリトが四旋剣と戦っている最中に武装完全支配術の詠唱を始めていたファナティオ。(アニメではキリトとの一騎打ち中に詠唱を始めています)
キリトは完全支配術を使う前に一気にファナティオとの距離を詰め、一撃を喰らわせるためにアインクラッド流秘奥義”ソニック・リープ”を放ちます。
第四話でゴブリンのウガチにとどめを刺した技でもある”ソニック・リープ”は”バーチカル”と同じ単発の縦切りですが、突進力に優れた秘奥義で、相手との距離を一瞬で詰めることが可能。
キリトの跳躍が頂点に達し、斬撃への体勢に入ったその時、ファナティオの細剣の切っ先が青白く輝きました。
光は一瞬にしてキリトの脇腹を貫通しますが、キリトはひるむことなく渾身の一撃を放ちます。
神器”天穿剣”
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
しかし、脇腹への痛みは秘奥義の軌道をわずかにぶれさせファナティオの兜の翼飾りを破壊するに留まりました。
ここからファナティオの怒涛の攻撃が始まります。
まるでレーザービームのような攻撃は速さと間合いもさることながら、”不朽の壁”と同じ最高級の大理石をバターのように溶かす圧倒的な威力は脅威そのもの。
さらに恐るべき点は光の発射に際して、溜める、突く、といった予備動作が一切ないことでした。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
ファナティオの神器”天穿剣”はアドミニストレータが一千枚もの大鏡を括って鍛え一本の剣にしたもの。
天穿剣による光攻撃は千の鏡で束ねられたソルスの光だったのです。
ファナティオの攻撃に手も足も出ず追い詰められるキリト…
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
「ディスチャージ!」
ファナティオがとどめの一撃を放った瞬間、叫び声と同時に鋼素と晶素を板状に変形させて作った一枚の鏡がキリトの掌の先に出現します。
素因から生成した道具類の天命は短く、とても天穿剣の光を弾き返せるほどの耐久力はありませんでしたが、一部を反射させることには成功。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
「見たな……貴様ッ!!」
反射した光はファナティオの兜へと襲い掛かり、後方へと弾き飛ばしました。
優美で張りのある声、緩く波立つ長髪、金に近い茶褐色の瞳…
キリトとユージオはファナティオの美しさに思わず眼を奪われてしまいます。
連続技対連続技
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
「きっ……貴様ァッ!!」
女だと知った途端に自分のことを蔑む男たちへの怒りをキリトにぶつけるファナティオ。
キリトはファナティオの攻撃を受け止めると鍔迫り合いに持ち込みファナティオを押し込んでいきます。
さらに追い打ちをかけるように挑発するキリトにファナティオの怒りは頂点に達します。
「うっうるさいっ!殺す……貴様だけはっ……!」
「こっちだってそのつもりだ。あんたが女だからって手を抜くつもりはさらさらないぜ。これまで何度も女剣士に負けてるからな!」
©2014 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAOⅡ Project
確かに、ユージオの知る範囲でも、キリトは傍付きをしていたソルティリーナ先輩に何度も一本を取られている。しかし彼の言葉は、稽古や練習試合を指しているのではないように思えた。そうではなく、これまで実際に女剣士と真剣勝負をして敗れたことがある、とでもいうかのような……。
ソードアート・オンライン12アリシゼーション・ライジング
ここからほぼ密着した間合いで超高速の剣戟が開始されます。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
遠距離では分が悪いと踏んだキリトは近距離で息をもつかせぬ連続技を仕掛けますが、ファナティオはキリトの二連、三連の攻撃を自在に細剣で返し、隙を見つけては連続技で返してきました。
古参のデュソルバートでさえ知らなかった連続技を使うファナティオ…
彼女は近接戦闘で己の性に気づかれないために努力して連続技を編み出していたのでした。
雨霰のように飛び交う無数の斬撃と刺突を、体捌きと打ち払いだけで防ぎ続ける二人。
キリトもファナティオも鍛え上げた剣技を思う存分ぶつける喜びに浸り、二人の顔には自然と笑みが浮かんでいました。
――すごい……。
ユージオがキリトにアインクラッド流を教わり始めてから、ずっと脳裏に思い描いていた究極の戦いがそこにありました。
©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project
「――なるほどな。咎人よ、貴様はこれまで私が戦ってきた輩とは少し違うようだ。この忌むべき面相を見て、こうも本気で斬ろうとした男はこれまでいなかった」
一進一退の戦いのなかで、ファナティオの顔に殺気立った怒りはいつしかなくなり、代わりに覚悟のようなものが映し出されていました。
「天穿剣に秘められた光よ、今こそ枷から放たれよ!!――リリース・リコレクション!!」
キリトの「――これまで何度も女剣士に負けてるからな!」の部分でユウキのことを思い出した人も多かったのでは?
それから、戦いの最中のキリトとファナティオの笑みはとても良かったですね。
戦い自体の作画は途中までは良かったんですが、途中から体が動かずにキンキンと音だけさせてたところは…。(ユージオ曰く究極の戦いのはずなんですが…)
戦闘シーンを見ているとやっぱり一期の作画が恋しくなってしまいます。
次回に続く…
コメント