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【SAOアリシゼーション】第二十話 整合騎士ユージオの登場と元老院の闇

ユージオがアドミニストレータの術中にはまり、永遠の停滞の中へといざなわれている頃、キリトは気を失ったアリスを背負ってセントラル・カセドラル95階に辿り着いていました。

【SAOアリシゼーション】第十九話②描かれなかったユージオの過去
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アリスが失神した後、キリトは月が出るのを待って壁登りを再開しました。ここまで辿り着くのにかかった時間は約2時間。

目覚めたアリスは、そんな疲労困憊のキリトの後頭部を殴りながら、こんな言葉を投げかけました。

「いやだ、お前、汗びっしょりじゃないですか!私の服に染みが!早く離れなさい!」



第二十話「シンセサイズ」のあらすじと感想

キリトとアリスの95階到達と青薔薇の剣の捜索

ユージオの青薔薇の剣を探すキリト

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

「ジェネレート・アンブラ・エレメント。アドヒア・ポゼッション。オブジェクトID、WLSS703。ディスチャージ」

キリトが唱えたのは、オブジェクトをサーチする神聖術です。

「WLSS」は “両刃(ダブルエッジド)・長剣(ロングソード)・片手(シングルハンド)” の略で、後半の数字はそのカテゴリに含まれる剣の通し番号ではないかとキリトは推測しています。

ユージオの青薔薇の剣のIDは「703」、キリトの “黒いの” のIDは「102382」。

青薔薇の剣が生成された時代から今までで、随分と剣の本数が増えたことがわかります。

オブジェクトサーチによって青薔薇の剣のおおよその位置を突き止めた二人は、そこにいるであろうユージオを探して進むことにしました。

もし戦闘になったら俺が右側を守るよ

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

「もし戦闘になったら、右側は俺が守るよ」

キリトは、自らの運命を切り拓くことを決意し、その代償として右眼を失ったアリスに優しく声をかけます。

個人的な感想ですが、そのポジションにはユージオにいてほしかった…。



石化したベルクーリとアリスへの遺言

キリトとアリスは、ユージオの記憶開放術によって氷の世界へと変貌を遂げたカセドラル90階「大浴場」に到着しました。

そこで、元老長チュデルキンに石化されたベルクーリ・シンセシス・ワンを発見したアリスは、急いで駆け寄ります。

【SAOアリシゼーション】第十八話①ユージオVSベルクーリ|青薔薇の剣の記憶解放
アニメ【SAOアリシゼーション】第十八話のあらすじと感想①。ユージオと整合騎士長ベルクーリの激闘、時穿剣の脅威、そして青薔薇の剣に秘められた永久氷塊と青薔薇の悲しい物語を解説。ユージオの奮闘と記憶解放の力、元老長チュデルキンの出現にも言及。

アリスは以前、ベルクーリから元老長チュデルキンが「ディープ・フリーズ」という、あらゆる人間を石に変えてしまう術式を使えると聞かされていました。

人界の平和のために永劫の日々を戦ってきたベルクーリに対する元老長の酷い仕打ちに、アリスは怒りと悲しみを露わにします。

そんな中、ベルクーリが意思の力だけでシステム命令を一時的に打ち破り、言葉を発します。

アリスと石化したベルクーリ

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

「嬢ちゃんなら、できるさ……。公理教会の……過ちを正し、この歪んだ世界を、あるべき形へ……導く……ことが…………」

ベルクーリはアリスに労いの言葉を送り、キリトにアリスを託した後、再び物言わぬ石像と化しました。

ユージオがチュデルキンによってアドミニストレータの居室へ運ばれたというベルクーリの話を聞いた二人は、浴槽の床に突き立てられていた青薔薇の剣を回収し、上階を目指すことにしました。

元老院の実態と箱人間の悲惨な運命

公理教会の元老院

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

最上階まであと一息、公理教会の中枢部にある元老院への扉を開いた二人の前には、異様な光景が広がっていました。

壁に据え付けられた多数の四角い箱に、髪や髭、眉毛すら生えていない生白い顔をした人間が収納されていたのです。

食べ物を摂取する元老

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

原作では、キリトはこの人間たちを “箱人間” と呼んでいます(正式名称は「自動化元老」)。

「システム・コール……ディスプレイ・リベリング・インデックス」

彼らが唱えていた神聖術は、人界に暮らす人々の「違反指数」をチェックするものでした。その過程は以下の通りです。

  1. 違反指数の異常値を検出
  2. 箱人間が現場を覗き見て禁忌を犯した者を特定し報告
  3. 報告を受けた者が整合騎士に罪人連行の指令を出す

この部屋に存在する数十人の箱人間は、“人界に暮らす全ての民が禁忌目録を遵守している事の確認と監視” という元老院の仕事をこなすために、人界のあちこちから拉致されてきた神聖術に秀でた人間たちでした。

アドミニストレータによって思考や感情といった「人の証」を全て封じられ、最低限の食事のみをチューブから与えられ、コマンドを詠唱し続けるだけの監視装置にされていたのです。

「命を絶ってやるのが……慈悲だとは思いませんか」

原作でアリスが放ったこの一言(アニメではカット)は、もはや元の姿に戻ることのできない元老たちへの哀れみを表していたのでしょう。

この場面は、「鋼の錬金術師」のニーナ・タッカーとアレキサンダーの話を思い起こさせる、痛ましいワンシーンでした…。



元老長チュデルキンの登場

元老長チュデルキン

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

「最高司祭様、もったいないっ、ああっ、いけませんっ、ああっ、おおお――っ!!」

突如、広間の奥から奇怪な声が響き渡ります。

その声の主は公理教会のNo.2、元老長チュデルキンでした。

SAOは敵味方共に個性的なキャラクターが多いと思いますが、個人的にこのチュデルキンは面白みに欠けるキャラクターだと感じます(高木渉さんがもったいない)。

見た目は派手でキャラが立っていそうですが、実際は無個性というか、道化師っぽくもない。出落ち感が半端ないですね。

公理教会に連れてこられてからのアリス

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

悪辣極まる口調で、幼いアリスがセントラル・カセドラルに連れてこられてからどのようにシンセサイズされたのかなどを饒舌に語るチュデルキン。

キリトはチュデルキンの言動に時間稼ぎの意図があるのではないかと推測します。

チュデルキンとアリス

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

「お前は己の境遇を存分に愉しんだようです。ならば、もはや思い残すことはないでしょう。私も、お前の話はもう聞き飽きました」

アリスはこう言って、元老長の胸に黄金の刃を深々と突き立てます。

しかし、その瞬間チュデルキンは風船のように膨らむと同時に破裂音を響かせて弾け飛び、真っ赤な煙を噴出します。

煙幕のように広がった煙のせいでチュデルキンを見失った二人の前に、突如として立ちふさがったのは、青みがかった銀色の重装鎧に身を包んだユージオでした。



シンセサイズされた整合騎士ユージオ

シンセサイズされたユージオ

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

「お前の相棒は……ユージオは、すでにシンセサイズされています」

通常、アドミニストレータだけが行える「シンセサイズの儀式」は三日三晩かかるはずですが、ユージオはたった数時間でシンセサイズされてしまいました。

アリスは、無二の親友が整合騎士になってしまった事実に動揺するキリトに活を入れます。

「……ここは、俺に任せてくれ」

キリトがアリスを下がらせた理由は二つありました。

一つは、アリスの圧倒的な技でユージオの体を傷つけたくなかったこと。もう一つは、互いの記憶を封じられている幼馴染同士を戦わせたくなかったからです。

キリトはユージオの封印された記憶を呼び覚ますように語りかけますが、アドミニストレータの望みを叶えるためだけに行動しているユージオにその声は届きません。

キリトとユージオの対決、師弟の剣技の共鳴

ユージオは、ベルクーリほか数人の整合騎士しか会得していない秘術 “心意の腕(しんいのかいな)” を使い、キリトが持つ青薔薇の剣を回収します。

心意の腕を使うユージオ

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

躊躇いなく剣を解き放つユージオを見て、キリトも “黒いの” を構えます。

「憶えてないだろうけど、お前に剣技を教えたのは俺だ。師匠として、まだ弟子に負けてやるわけにはいかない」

ユージオvsキリト

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

キリトとユージオはソードスキル発動の構えへと移行し、ほぼ同時に床を蹴りました。

鮮やかなライトグリーンの輝きとともに、師弟が放ったのはアインクラッド流片手直剣突進技「ソニックリープ」

キリトは、ユージオが自分のことを忘れてもアインクラッド流剣技を忘れていなかったことに、わずかな喜びを感じるのでした…。


この回は特に盛り上がるところもなく、淡々と進みましたね。

原作でも元々薄めの内容なのですが、アニメでは会話がさらにカットされたことで、薄まりすぎて全く味がしないジュースのような感じでした…。

山田孝太郎 (著), 川原 礫 (原著), abec (イラスト, デザイン)

 

次回につづく…

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