前回のお話はこちら↓
第2章 廃墟王国グーラ
STAGE1 <ルキ渓谷の大海蛇>
「ロードオブヴァーミリオン」画集 白-超獣・亜人・神族・海種-編より
No.062リヴァイアサン
かすかなせせらぎの音を聴いた。
やがて巨大な谷の奥深く、
『紅蓮の瞳の戦士』は細く流れる川と
そそり立つ3本の『アルカナストーン』を見出した。
不意に水面が荒れ、巨大な水柱と共に黒々とした影が
天に伸び上がり、日を翳らせた。
高波を呼び、地上の都市すら押し流したと伝わる、
荒ぶる海の王がそこにいた。
見下ろす眼に宿る深い叡知に戦士は戦慄する。
『大海蛇・リヴァイアサン』――
その時、戦士の耳には遠い海鳴りが聴こえていた…
【パワーズ】を倒し『アルカナ』を手に入れたニドは、次の『アルカナ』を求め『廃墟王国グーラ』へと向かいます。
しかし、『ルキ渓谷』へと差し掛かった時、ニドの前に使い魔【リヴァイアサン】が立ちはだかります(ちなみにこの【リヴァイアサン】は女の子です)。
七つ目の『アルカナ』を宿す者が来るのを待っていたと言う【リヴァイアサン】は、ニドの実力を試すために攻撃してきます。
『ロード』としての戦いに慣れてきたニドは、なんとか【リヴァイアサン】を撃破することができました。
その実力を確認し安心した彼女は、ニドにあるお願いをします。
「呪い」に苦しむ友を、その『ロード』の力で救ってほしい。そう言い残すと、彼女は力尽きてしまいました。
ニドはその言葉を受け、再び『ロード』への歩みを進めるのでした。
STAGE2 <死を奪われし者>
「ロードオブヴァーミリオン」画集 黒-魔種・機甲・不死-編より
No.083スカルドラゴン
ドゥクスが思わずつぶやいた。
夕刻の海に漕ぎ出た船の上、
『紅蓮の瞳の戦士』とその軍団は、
潮風に響く物悲しい咆哮を聞いた…
彼らの行く手に姿を現すは、
かつて東方諸国の艦隊を迎え撃った
名高き『グーラ王国海上要塞』――
今は潮風に錆びてゆくだけの鉄の砦の上に、
『廃墟王国グーラ』を支配する『ロード』の姿が、
夕日を浴びて浮かび上がる。
それは死して骨となりながらも生き続ける
不死の古き竜。
『死を奪われし者・スカルドラゴン』――
「そなたならば、
友の苦しみを終わらせてくれるやも知れぬ…」
戦士の脳裏を
『大海蛇・リヴァイアサン』の言葉がよぎった…
【リヴァイアサン】のその旧友は、『廃墟王国グーラ』の海上要塞にいました。それは一族を守るために「不死の禁呪」を受け入れ、永遠に朽ちぬ体となってしまった【スカルドラゴン】でした。
守るべき一族も、自らの肉体も滅び、それでもなお死ねず彷徨い続ける彼は、死ぬために『アルカナ』を手にし、『ロード』となりました。
しかし、『アルカナ』の力をもってしても、その望みを叶える事は出来なかったのです。
絶望し正気を失った【スカルドラゴン】に、ニドは刃を突き立てます。
『ロード』の力で『絶対死』による安寧を与えるために。
ようやく眠りにつく事ができた【スカルドラゴン】の今は無き瞳に映るのは、幸福だったかつての思い出。「竜の谷」で英雄を迎える妻と子供たちの姿でした…。
つづく…。
コメント