© 1993, 2018 SQUARE ENIX CO., LTD.
ロードオブヴァーミリオン4(以下LoV4)の創魔ユニット考察、第17回は【ハイド】を見ていきます。
元ネタはロバート・ルイス・スティーヴンソンの小説「ジキル博士とハイド氏」。
ブロードウェイミュージカルの「ジキルとハイド」が有名ですよね。
19世紀後半のロンドン、医者兼科学者の【ジキル】は人の善悪の心を研究した末に、とある薬を開発。その薬を自ら服用した【ジキル】に現れた悪の人格、それが【ハイド】です。
LoVの【ハイド】は少し設定が異なります。
本名はエマ・ハイド。
【ジキル】の想い人だったエマはある日不慮の事故によって死んでしまいます。
【ジキル】はバラバラになってしまったエマの亡骸に、自分の肉体と魂の一部を分け与え、『魔療術』によって彼女を蘇生します。
しかしその際【ジキル】の『悪意』がエマに宿ってしまい、新たな人格【ハイド】として目覚めます。
エマとしての記憶が欠落してしまった彼女を元に戻すため奔走する【ジキル】ですが、【ハイド】は【ジキル】から逃げるように姿を消していました。
【ハイド】には、自分が自分で無いような違和感があり、他の人間も自分と同じように中身がバラバラなのかを確かめるために、殺人を繰り返すようになってしまいます。
しばらくして2人は再会する事ができましたが、その時には彼女の中のエマの細胞はほぼ死滅しており、その体のほとんどを【ジキル】の細胞が侵蝕してしまっていました。
さらに、エマの記憶ではなく、【ジキル】だった頃の記憶を少しずつ思い出していました。
絶望した【ジキル】は、彼女の了承の上で呪式と細胞を分解する薬品を【ハイド】に投与し、2人は消滅しようとします。
最後に思い出の、初めて舞踏会で出会った頃を思い返していた2人。
しかし彼女が不意に口にしたのは、【ジキル】が知り得なかった『エマの記憶』でした。
テンパッた【ジキル】はどこかへと姿を消し、残された彼女の前には、『緑色の殺人鬼』へと変貌した【ジョン・アターソン】が現れます。
突如襲われ、殺されそうになった【ハイド】でしたが、そのとき彼女に一時的にエマの人格が現れ、彼と対話を試みます。
【ジキル】を悲しませたくない。その想いだけは一致していたエマと【ジョン・アターソン】は一時休戦。
エマを消滅させないための方法を求め【バン・ドレイル】に会いに行くことに。
一方【ジキル】も、【アンダーテイカー】のエリオットと共に『朽ちない死体』を蘇らせるため、同じく『混沌』のもとを訪れますが『悪人』を前に暴走してしまいます。
正気を失った【ジキル】に呼びかけるには、エマの存在が必要でした。しかし「人の魂は1つの体に1つだけ」がルール。
エマが完全に目覚めた時、【ハイド】の人格は消滅してしまいます。
土壇場で、今消えたくないと願った【ハイド】のため、【ジョン・アターソン】は『混沌』の勢力に『生きた魂の保存』と『魂の無い死体の保存』を要求。
【アレイスター】の力を借り、『星形のメダリオン』に片方の魂を移す事になりましたが、【ハイド】は安全であるメダリオンにエマの魂を保存することを選択。
自分はいずれ崩壊するであろう肉体に残り、【バン・ドレイル】の手引きでネクロマンサーである【ロイド】に引き渡されてしまいます。
その後、多額の保存維持費を払い終え、『学会』で彼女を元に戻す目処が立った【ジキル】は【ロイド】から【ハイド】の体を奪い返し、意識を戻させる事に成功。2人は【ロイド】と対峙します。
愛と罪、狂気が混ざった暗く辛い物語。本来存在しなかった【ハイド】は、果たして幸せになる事ができるんでしょうか…。
CVは柳沢真由美さん。アニメやドラマの吹き替え、様々なTV番組のナレーションなどを担当されており、その声質から少女~大人の女性まで幅広く演じられています。
イラストレーターは、前作SPカード【ブリュンヒルデ】【[贖]ジークフリード】の続き絵がとても素敵でしたHitoto*さんです。Ver4.0の【アルテミス】もカッコいいイラストで大好きです。
ハイドの基本性能
30コスト マジシャン
召喚アビリティ:なし
攻撃力60 防御力50 精神力40
武装アビリティ:なし
攻撃力80 防御力70 精神力60
血晶武装アビリティ:ローズ・クレア(ATK↑)
攻撃対象とその周囲の敵ユニットに「固定ダメージ」を与える。ただし、スマッシュアタックができなくなる。
攻撃力160 防御力120 精神力90
マジシャンの特徴の1つであるスプレッドショットを失う代わりに、固定ダメージとEXアビリティによる強力な妨害デバフを持つユニット。
30コストマジシャンという取り扱いに難のある枠に登場した【ハイド】ですが、血晶武装時のステータスは【深きものども】と同じで、その高い攻撃力と15の固定ダメージのおかげで荒らし・防衛ともに活躍できる性能になっています。
EXアビリティは戦闘面で効力を発揮するものは少ないですが、どの効果も相手の計算を狂わせやすく、シューター攻撃で遠距離から複数体にアビリティ効果を与える事が出来るので非常に効率が良いです。
「ローズ・クレア」の爆発は、攻撃対象から半径ユニットサークル2つ分くらいが範囲になります。結構広めです。
ちなみにシュータースタイル時は30%減衰処理を受けて攻撃力112。
固定15ダメージのおかげで、防御力20までのディフェンダー根元相手ならスパクリ+クリティカルでシューター攻撃でも2確です。
主人公のアビリティなどで素の攻撃力を10上げていれば、2確対象は防御力30まで広がります。
クリティカルを突けなければ防御力5の根元相手でも2回の攻撃で撃破は取れないので、ディフェンダーの根元を優先して狙うと良いと思います。
種族別の性能
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人獣
EXアビリティ:魔械経典 誕生の章
自身の持つアビリティ「ローズ・クレア」によって攻撃した敵ユニットに、「一定時間『衰弱』状態にする効果」を付与する。
10秒間、追加ダメージ2の『衰弱』状態にすることができます。
5種族中唯一、戦闘に直接関係する攻撃的なEXアビリティになっています。
『衰弱』の強さは特に防衛時に顕著に表れ、【ハイド】自身の高い攻撃力と固定ダメージのおかげで序盤の安定性を更に高める事ができます。
また、ATKアップのサポートが無くても『衰弱』による追加の2ダメージで、防御力30までのディフェンダー根元をスパクリ+クリティカルで2確になります。
本来人獣はマジシャンの使い魔が弱いので、強力なアビリティで使いやすい【人獣ハイド】は採用の価値も高いかと。
【犬塚信乃】や【ミミララ・レイア】と組んだ無難な固定ダメージデッキも楽しそうですが、高い安定力を活かして【役小角】や【アカズキン】などの高コストの化物使い魔をメインに置いたデッキにするのも有りかと思います。
神族
EXアビリティ:魔械経典 癒しの章
自身の持つアビリティ「ローズ・クレア」によって攻撃した敵ユニットに、「施設内でのHP回復速度を一定時間下げる効果」を付与する。
20秒間「ヒールウィーク」を付与します。
効果の検証が難しかったんですが、HPを400程度回復するのに大体3秒から4秒くらい遅くなっていました。
回復量に左右されるため単純に何秒延長、というような効果ではないと思うので、正確な数値が分かりませんが…。
主力・根元問わず再出撃のタイミングをずらす事で、敵の行動を大きく遅延させる事ができる良アビリティ。
【魔種ハイド】でも同じようなことはできますが、こちらは【セルディッド】の軽減対象になるのが大きいですね。
【風神】【雷神】デッキのお供に入ってるのを見かけることもありますが、神族使い魔の特徴である高い防御力と精神力を活かした、敵タワーをガンガン攻めるデッキにするのも良いんじゃないかと思います。
魔種
EXアビリティ:魔械経典 望郷の章
自身の持つアビリティ「ローズ・クレア」によって攻撃した敵ユニットに、「帰還速度を一定時間下げる効果」を付与する。
20秒間「リターンウィーク」を付与します。
帰還にかかる時間はタワー数拮抗状態で3.5~4秒ぐらいになります。
普段が2.5秒くらいだったと思うので、1~1.5秒くらいの延長ですかね?
タワー劣勢時の帰還速度強化が入るとどうなるか分かりませんが、序盤の荒らしで複数体への「リターンウィーク」は凶悪。
血晶武装状態のユニットの攻撃間隔は1.2秒なので、攻撃できる回数が1回は増えそうです。
3回攻撃する事が出来れば、ジョブ無視で大体の根元は初撃スパクリで撃破取れると思います。
勿論、主力相手にも効果は絶大。追い討ちで撃破を取れる可能性が上がります。
敵タワーへ攻め込む際には強力な援護となるので、終盤まで腐らないのが良いですね。
Ver4.209の【チルル】弱体化調整によって再び選択肢にあがり始めています。
魔種のデッキであれば火力不足にもならず比較的組みやすいと思うので、色んな組み合わせを試せそうです。
海種
EXアビリティ:魔械経典 征服の章
自身の持つアビリティ「ローズ・クレア」によって攻撃した敵ユニットに、「マナ吸収速度・アルカナストーン破壊力・タワー制圧力を一定時間下げる効果」を付与する。
スパクリが発生する行動に関して擬似的に精神力を下げるような効果です。
それっぽく言うなら「マナウィーク」と「コンクエストウィーク」ですかね。
効果時間はなんと30秒。というのも、5マナ溜めるのに基本的に20秒以上かかってしまうからでしょうね。
精神力30の根元使い魔が5マナ吸収するのに28秒かかっていたので5秒延長だと思います。
タワー制圧力とストーン破壊力に関してはちょっと検証が難しいんですが、精神力を20下げるに相当するぐらいの効果が出ていたのではないかな、と思っています。
実際は違う可能性が高いのであまり当てにしないでください…ごめんなさい。
あと、「防衛力」は下げる事が出来ないので間違えないようにしましょう。
【海種ハイド】のEXアビリティは汎用性が低いですがオンリーワンの性能です。
海種には【深きものども】【アルビダ】【太乙真人】など、安定性の高い低コストマジシャンが豊富なので、その代わりとして採用するのではなく、序盤からの妨害に特化した使い方をするのが良いと思います。
不死
EXアビリティ:魔械経典 復活の章
自身の持つアビリティ「ローズ・クレア」によって攻撃した敵ユニットに、「一定時間『呪い』状態にする効果」を付与する。
復活時間を10秒延長する『呪い』状態にすることが出来ます。
効果時間は短めで、5~6秒くらい。
【不死ハイド】が直接撃破を取る分には効果時間の短さは関係ないので特に問題ないかと。
しかし不死には同コストに【モルモー】という高火力かつ高速マジシャンがいますし、定番の荒らし枠【ベドラム】と組ませにくい枠である事から中々採用まで至らないのが現状。
とはいえ死滅時間10秒延長は、序盤ではかなりのアドバンテージを稼げます。
根元使い魔は比較的ディフェンダーが多いこともあって、同じ『呪い』アビリティ持ちの【ペルセポネ】よりその恩恵を受けやすいのが特徴です。
普段5秒で復活する主人公を狙うのも効果的ですね。
画面上に数値として出ないのでその強さを実感しづらいですが、決して弱くないのは確かです。
第二弾創魔【プリム】の登場によって少々数が減ってしまった印象ですが、こと妨害能力に関しては群を抜いた性能をしているといって過言ではないと思います。
相方のデッキによっては序盤から敵タワーを圧倒できる可能性のあるユニットなので、特にタッグ戦では猛威を振るうでしょう。
ただし単独行動は自殺行為。アタッカーに狙われるとすぐ死滅してしまうので、撤退ラインの早めの見極めが必要です。
シューターによる安全圏からの援護と、火力を活かした接近戦をその場合によって上手く使い分けましょう。
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