こんにちは、キーアです。
「ゴッドイーター3」Ver2.20でエピソード《過去との邂逅》が追加されたのでプレイしてみました。
実はもうVer2.30になって《フィム編》が配信されているんですが、遅れに遅れて今回は《リカルド編》の感想です。
※ネタバレだらけだよ!
過去との邂逅 リカルド編
苦い思い出
自分の能力を決してひけらかすことのないリカルドですが、積み重ねてきた経験が多少の役に立てればと、コアエンゲージの技術検証に参加することになりました。
でもリカルドさん、最近はコーヒー豆の挽き方とか、シャンプーの詰め替えとか、お掃除ロボットの話とかばっかりしてるからなぁ…。
…家事の話ばっかりだったらどうしよう…。
「ここが感応領域か……何だか殺風景なんだな。もしかして俺の心って枯れちゃってる?」
『感応領域』の風景を前に、オジさん特有の自傷ジョークを挟んでいく平常運転のリカルド。
これに対しエイミーが「安定しているので心配はいらないと思いますよ!」と真面目な回答でボケ殺しをしたのでリカルドは苦笑いです。
「さーて、頼むから笑い話で済むようなもんが出て来てくれよ」
軽妙なトークで進めていくリカルドですが、こんなセリフを言うってことはつまり「笑い話で済まないようなもん」が潜んでいることを良く知っているからでしょう。
現れた『記憶の結節』に触れると、それは『厄災』が起こる前、かつてリカルドがグレイプニルのエリート隊員だった頃のことが回想されました。
「人類の未来のため、持てる力の全てを振るい、戦い続けることを誓います!」
「俺達で作戦を成功に導こう、グレイプニルのエースになるのは俺達だ!」
発言が若々しい!
リカルド…オジさんくさくない頃もあったんだね…。
この記憶に当の本人は「青臭い」「暑苦しい」と大笑い。
しかし、当時の大規模なアラガミ掃討作戦は想定外の出来事が次々と起こり、そこから凄惨な状況へと変わっていきます。
「はぁ……はぁ……みんなやられちまったのか……?誰か生きてる奴は……助けてくれる奴は……」
作戦は失敗、部隊は全滅。誰かが助けてくれることを願った瀕死のリカルドの耳に届いたのは、同作戦に参加し志を共にした仲間の声。
「助けてくれ…血が…止まらないんだ…俺はまだ…死にたく…ない…」
自分よりも酷い状態の仲間を見て死の恐怖に襲われたリカルドは、助けを求める手に背を向けました。
「く……許してくれ……許してくれぇ!くそっ!くそぉ!うわああああああああっ!!」
死を間際にして、リカルドは仲間を見捨て、自分が助かる道を選びました。
リカルドが何かと自分を卑下しているのは、「仲間を見捨てて自分だけが逃げた」という負い目があるからなんでしょう。
「これが、命懸けで最後まで戦い続けて援軍に救われたなんて話なら、格好もついたんだろうが…」
「俺はあの日…死にたくなくて仲間に背を向けて逃げたんだ。戦おうともせずにな。だからこうして、のうのうとここに立ってる。庇う価値もないくらい情けない奴なんだよ、俺は」
…リカルドは必要以上に自分を責めてしまっているようですが、仮にリカルドがその場に残り、瀕死の仲間の手を取っていたところで、全滅していただけでしょう。
例え無様でも、生き残れる道を選んだのならそれは正解だったんじゃないかな、と私は思います。
「とにかく、おじさんの思い出話はこんな風に面白くもないもんばっかりだ。それでも構わないってんなら勿論付き合うが…この先、何を見ても…あまり気にするなよ?」
まぁ他の人たちのエピソードも面白おかしいような話は無かったのでそれはいいんですが…これ以上に重い話が待ち受けているってのか…?
眩しい二人
2回目の接続にリカルドは相変わらずの飄々としたセリフを吐きますが、やはり内心は気乗りしない様子。
初っ端に見せられた過去の内容がヘビー過ぎたので、気持ちは分かりますがね…。
やがて現れた『記憶の結節』に触れると、あの作戦で生き延びたリカルドのその後が語られました。
「よーし、全員集合!今日はこの拠点に大事なお客様が来るそうだ」
前作までのゴッドイーターをプレイしていたら分かると思いますが、『厄災』が起こる前、人々が暮らす小さな集落『サテライト拠点』が地上のあちこちにありました。
グレイプニルを抜けたリカルドはそのサテライト拠点の一つで、アラガミから一般人を守る仕事に就いていました。
「失礼のないように、ちゃんと掃除しておかないとな。みんな、片づけサボるんじゃねえぞ?」
この頃から率先して掃除を…!
おじさん臭くなくてもやっぱりリカルドはずっとリカルドでした。
「これが中々良い場所でな…アラガミの襲撃もほとんどなくて住民たちも気のいい奴らばかりで…楽しかったよ。少なくとも…俺みたいな奴が行き着く先としちゃ上等な場所だったと思う」
あーもう、またそうやっていい大人がうじうじと…まだ2回目なのになんかもうぶっちゃけ鬱陶しくなってきた。
さて、せっせと掃除をして迎えたお客様は、主人公も良く知っているあの人たちでした。
「初めまして、しばらくの間お世話になります。私はイルダ・エンリケス、そしてこちらは……」
「……こんな所で、また会うことになるとは思わなかったよ。ヴェルナー・ガドリン」
現在はクリサンセマムのオーナーであるイルダと、ガドリン総督の息子であり当時彼女と恋仲だったヴェルナーです。
リカルドは元々グレイプニル所属のゴッドイーターだったので、ヴェルナーとは顔見知りだったみたいですね。
この出会いをきっかけに、リカルドのそれからの人生は大きく変わっていきます。
「私たちは現在アラガミの襲撃を全く受けない、従来のサテライト拠点より安全な拠点の構想を進めているんです」
アラガミが闊歩する“地上”ではなく、安全な“地下”に拠点を作ろうと、まだ学生のイルダとヴェルナーは各地で意見を集め知見を深めていたのでした。
ヴェルナーはその壮大な夢を、リカルドに語ります。
「誰もが安全に、己の幸せを求められる場所…理想郷と呼べるような地を、我々の手で作りたいんだ」
「はっはっは!理想郷ねぇ……いいんじゃないですか?夢物語は嫌いじゃない、応援しますよ」
やがて月日が過ぎ、2人の研究は今『ミナト』という形で実を結び、多くの人々を守っています。
当時リカルドは2人の夢を応援すると言いましたが、この時はまだ、自分がその“夢物語”の実現に協力するなんてことは、それこそ夢にも思わなかったでしょうね。
「あんまりにも壮大な夢だったんであの時は笑って合わせるしかなかったが……こうしていま、あの日聞かされた夢の舞台を守るために生きてるんだから、人生分からないもんだよな」
2人の語る夢の壮大さと、そしてそれを実現してみせたことがリカルドにはあまりにも眩しかったんでしょう。
今、その夢の舞台を守るために生きている訳ですが、もしかしたらリカルドは自分が場違いだと思っているのかもしれません。
「っと、いけねえ…ダラダラ話し込んじまって悪かったな。お喋りなのが俺の唯一の欠点なんだ」
お、おぉ…。唯一…そうなんですか…。
話の重さと言葉の軽さのギャップがすごい勢いで襲い掛かってくるな…。
「次も頼むぜ?お前さんたちと一緒に居ると俺にも何かが出来そうな気がしてくるから楽しいよ」
この後の記憶はいったいどんなことになっているんでしょうか…。
止まった時間
「お前さんが行きたいなら俺は止めないさ、ただ…恐らく次は重たい話になる。人の心に踏み込む覚悟ってのはしておいた方がいい…お前さんのためにもな」
前回の終わり際に「次も頼むぜ」「楽しいよ」って言ってたのに、いざ3度目の接続に入るとなるとなんだか嫌なことを言ってくるリカルドさん。なんなの。
それに、心に踏み込んだのは貴方でもう5人目なので、そのアドバイスは遅すぎると思います。
さて、メディカルチェックの結果がいつもより悪かったそうですが、お構いなしに『感応領域』への接続を進めるマッドなキースさん。
おかしいな…、クレアの検証の時の反省を活かして「俺がしっかりストッパーになるから安心して」って、言ってたのに…。
危うく人間不信に陥りそうなところですが、そのまま検証を開始。現れた記憶の結節に触れていきます。
夢の実現に向けて順調に進んでいたと思っていた矢先、明らかに異常な現象が起こっていました。
「まるで灰の塊みたいだ……」
地震のような揺れと、ハリケーン以上に重苦しい雲が漂う空の下。
リカルドがそう呟くや否や、ヴェルナーのもとへグレイプニルより絶望的な通信が入りました。
「各地でアラガミの大移動が起きているらしい、間もなくここにも来るぞ!」
それは、数年前に世界を襲ったといわれる『厄災』の当日。
各地で同時多発的に『灰嵐』が発生し、それに伴ってアラガミの生息域が激変しました。
リカルドたちの居たサテライト拠点は、アラガミの大移動の進路上にあったのです。
「ボサッとしてんじゃねえ!ヴェルナー、イルダさんを連れて逃げろ!」
「馬鹿を言うな!君だけ残して行く訳にはいかない!」
リカルドは拠点を守るために大量のアラガミと対峙しますが、どう考えても多勢に無勢。
戦う術を持たないイルダを庇って重傷を負ってしまったリカルドは、自分が犠牲となってでも2人を逃がそうとしました。
「馬鹿言ってんのはてめえの方だ!死に損ないと、てめぇの女、どっちが大事かも分かんねえのか!この場所を守るのが今の俺の仕事なんだ!今度こそ……最後まで……!」
かつて仲間を見捨てて自分だけが生き残ってしまった事をずっと悔やんでいたリカルドは、ここで最後まで戦い、死で罪を償おうとでも思ったんでしょうか。
ですが、そんな自己満足な行為をヴェルナーは許しませんでした。
「……いいや、駄目だ!目の前の仲間を見捨てて行くことなど出来ない!」
それの前科があるリカルドの心を抉る熱い言葉をかけ、ここに残ると駄々をこねるリカルドを無理矢理トレーラーにぶち込んで3人で離脱します。
「くそっ、離せ!離せよヴェルナー!頼むから離してくれ!まだやれる…まだやれるんだ…!この場所を……守らせてくれよ……!」
…リカルドは、「また戦場から逃げ出した」「自分だけがまた生き残ってしまった」と自分を責めたのでしょう。
しかしリカルドの事を良く知るヴェルナーは、だからこそ必ずリカルドを死なせてはいけないと思ったのかもしれません。
「すまないな…出来ることなら、若い奴らのやる気になるような記憶を見せられれば良かったんだが…」
依然、軽口をたたき自分を卑下したジョークを挟みながら語るリカルドですが、いつもとは違ってその姿はとても弱々しく見えました。
あの後のことは、あまり覚えていないとのこと。それだけ心に深く傷を負ったのでしょう。
「もう二度と、この二人が夢に目を輝かせることはないんだと……何となく悟ったよ」
そう思ったのは、自分がグレイプニルを抜けた時にそうだったからでしょうか…。
「…あの日、俺が守れなかったものは拠点の住民たちの命だけじゃなかったのさ…。背負い込みすぎだってのも分かってる、けどな……どうしても……そう考えちまうんだよ」
適当に生きている人間ならば、ここまで自分を責めることはないでしょう。「全部自分のせいだ」と背負ってしまうリカルドは責任感が強すぎるんですね。
「さて…肩が凝るような話が続いちまったな、気分転換に大掃除でもしようかね」
唐突に出た!
「折角だ、お前さんも付き合ってくれないか?手伝ってくれたら、今日の夕飯は好きなもの作るからさ」
そして巻き込まれた!!
…しかしまぁなんとも、浮かない表情ですね…。仕方ない、一肌脱いでやろう。
夕飯のメニューを選んでいいっていうんなら、そうですね…。おでん以外ならなんでもいいです。(ルル編と同時進行につき拒否反応発生中)
つづく。
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