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【SAOアリシゼーション】第六話④人工知能の権利とキリトが被験者に選ばれた理由

前回のつづき…

【SAOアリシゼーション】第六話③精神原型の育成過程と菊岡の真の目的
アニメ【SAOアリシゼーション】第六話のあらすじと感想③。ラースが作ったVRMMOワールドの構造と精神原型の育成過程を解説。フラクトライト・アクセラレーションの説明や人工フラクトライトの成長と限界に迫る。菊岡の真の目的とは?

 

原作小説「ソードアート・オンライン10 アリシゼーション・ランニング」の140ページまでは、この物語にとって非常に重要な部分の説明が詰め込まれています。

僕にとってのSAOの魅力は、キリトの無双やヒロインたちとの絡みではなく、作品の設定やキャラクターの心情にあります。

そのため、このあたりの話はとても面白く感じるのですが、残念ながらアニメではほとんどカットされていました。

このパート4でも引き続き、第六話でカットされた部分を中心に、気ままに書いていきたいと思います。



第六話「アリシゼーション計画」のあらすじと感想④

人工知能たちの権利に対するアスナの主張

sao菊岡を問い詰めるアスナ

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

ラースの目的が「目的のためなら人を殺すことも可能な真の人工知能の開発」だったということを知ったアスナは、冷たく透き通った声で言いました。

「――でも、あなたたちはその話をキリト君には一切していない」

「……なぜ、そう思うんだい?」

「もし話してれば、彼があなたたちに協力するはずがないわ。あなたたちの話には、大切な視点が一つ欠け落ちてる」

「……それは?」

saoキリトとアスナとユイ

©川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project

「人工知能たちの権利」

アスナの言い分は、もしキリトが戦争の道具として人工知能たちに殺し合いをさせるようなことを知っていれば、絶対に協力などしないだろうというものでした。

これについては第4話の記事でも少し書きましたが、キリトにとって自分のいる場所こそが現実なのです。

【SAOアリシゼーション】第四話②瀕死のユージオを救った高位神聖術と黄金の光
アニメ【SAOアリシゼーション】第四話のあらすじと感想②。瀕死のユージオを救うため、セルカは危険な高位神聖術を使うことを決意。キリトは自らの命を犠牲にしてでもユージオを助けようとするが…。そんな中、黄金色の幻影が現れる。

人工知能の権利をめぐる菊岡との対立

アスナは続けて、たとえNPCや人工知能の命が仮のものだとしても、キリトはそうは考えないだろう、だからこそSAOをクリアすることができたのだと言いました。

sao菊岡とアスナそれぞれの主張

©2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

「――言いたいことは僕にも解らなくもないよ。だが僕にとって十万の人工知能の命は一人の自衛官の命より軽い

この二人のやりとりには考えさせられるものがありますが、僕は菊岡の考えに賛同します。

もし私たちが生きる現実世界で真のボトムアップ型人工知能が創造されたとき、同様の問題が必ず浮上するでしょう。

有識者が何年、何十年と議論を交わしたとしても、容易に結論が出ない命題だと思います。



キリトを被験者として選んだ理由

「そもそも、なんで桐ケ谷君が必要だったの?最大級の機密が漏れる危険を冒してまで、どうして彼を……?」

凛子は重々しい沈黙を破り、菊岡に尋ねました。

フラクトライトの禁忌目録への従順さの原因究明

なぜアンダーワールドの住民たちは禁忌目録に背けないのか、菊岡たちは以下の2つの仮説を立てました。

  1. ライトキューブに保存されたフラクトライトの持つ構造的な問題
  2. フラクトライトの育成過程に原因がある

もし1の問題であれば、保存メディア(ライトキューブ)の設計からやり直す必要があります。しかし、2の問題であれば修正の可能性があると考えた菊岡らは、一つの実験を試みました。

その実験とは、本物の人間の記憶を全てブロックし、幼い子供の状態に戻して、アンダーワールドの中で成長させることでした。

もし被験者の行動パターンが人工フラクトライトと同一のものになれば、原因はフラクトライトの育成過程での問題だと特定できます。

「実験のためには、仮想世界内での動作に慣れている被験者が必要だ。それも一週間、一か月ではなく年単位の経験がね。これでもう解ったろう」

saoキリト対茅場

©川原 礫/アスキー・メディアワークス/SAO Project

ラーススタッフを被験者とした実験と結果

アニメでは、最初から被験者に適した人材としてキリトが選ばれたように菊岡は説明していますが、原作では、かなりの試行錯誤を重ねた結果、その結論に達したと書かれています。

具体的には、ラーススタッフから8人の被験者を募り、アンダーワールド内で様々な環境のもとで成長実験を行っています。

実験の結果、被験者の中で禁忌目録を破る者は一人もいませんでした。

さらに不思議だったのは、被験者たちが人工フラクトライトの子供たちよりも非活動的で、外出を嫌がり、周囲と馴染めない傾向を示したことです。

仮想世界での違和感の原因:重力感覚

ラースは、被験者たちがそのような傾向を示した理由を、“違和感” のせいだと推測しました。

このケースでの”違和感” とは、現実世界と仮想世界での動作感覚の違いを指しています。

「重力感覚のせいよ。視覚や聴覚の信号と違って、重力や平衡を感じる部分の研究は遅れてるの。信号の大部分が、視覚からわたしたちの脳が補完する重力感覚に頼ってるから、慣れてない人はうまく動けない」

ヒトの内耳

ヒトの内耳

菊岡が違和感の話をしたとき、アスナはすぐにその原因が重力感覚にあると指摘しました。

内耳と重力感覚に関する解説

アスナの言う重力や平衡を感じる部分というのは、耳の最も内側にある“内耳” のこと。

内耳は人間の身体の中で最も小さい臓器であるだけでなく、リンパ液に満たされた状態で骨の内部に存在するため、研究が遅れています。

また、細胞診もできず、画像検査でも得られる情報が限られているため、内耳に原因がある疾患(老人性難聴、突発性難聴、メニエール病など)の治療が難しいとされています。

内耳について学ぶのは高校生物の授業内容ですので、アスナはちょうどその授業を受けている最中だったのかもしれません。

話が少し脱線してしまいましたが、要するに、脳で重力感覚を上手く補完できる、つまり仮想世界に”慣れている人間” が必要だったのです。

菊岡が知る人物の中で、最も仮想世界に順応しているのがキリトだったというわけです。


山田孝太郎 (著), 川原 礫 (原著), abec (イラスト, デザイン)

次回につづく。

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